糖尿病は、インスリン作用不足による慢性の高血糖状態を主徴とする代謝疾患群であり、2型糖尿病では「インスリン分泌不全」と「インスリン抵抗性」という2つの要因がさまざまな程度で関与し、高血糖がもたらされている。

 現在、わが国ではさまざまな種類の経口血糖降下薬が使用可能で、選択肢は幅広い。個々の患者にとって最適な治療を行うには、各薬剤の特徴、副作用、患者の病態や意向を踏まえて薬剤を選択することが大切である。2009年10月11日に大津プリンスホテルで開催された第42回日本薬剤師会学術大会ランチョンセミナーにおいて、三井記念病院の柴輝男氏は経口血糖降下薬の選択に際し考慮すべきポイント、各薬剤の特徴と主なエビデンスなどを示した。

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 わが国では現在、(1)インスリン抵抗性改善薬(ビクアナイド薬、チアゾリジン薬)、(2)インスリン分泌促進薬(SU薬、速効型インスリン分泌促進薬)、(3)糖吸収遅延薬(α-グルコシダーゼ阻害薬)など、種々の機序の経口血糖降下薬が使用可能である。柴氏は、「個々の病態を正しく把握し、病態に応じて適切な薬剤を選択することはもちろんだが、これに加え、各薬剤の効果の程度や持続期間、効果発現までの期間なども熟知しておくことが大切である」と、薬剤選択に際し考慮すべきポイントを明らかにした。

 各薬剤のHbA1c低下効果を、プラセボを対照としたデータをもとに比較すると、第三世代SU薬グリメピリドアマリール(R))とビクアナイド薬(メトホルミン)の効果が高く、いずれもプラセボに比べHbA1cを1.5〜2%低下させることが示されている。また、グリメピリドは投与4週後から有意なHbA1c低下効果が認められ、ピオグリタゾンやメトホルミンに比べ、より早期にHbA1cの低下が得られる。

 インスリンクランプ法ではブドウ糖静脈内投与後、β細胞からのインスリン分泌様式は2相性を呈し、急峻であるが持続の短い第1相分泌と、穏やかな増加を示す第2相分泌がそれに続く。グリメピリドは、2型糖尿病患者における第2相のインスリン分泌のみならず、食後の初期分泌に相当する第1相のインスリン分泌をも改善することが判明している(図)。

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 柴氏は、「グリメピリドは従来のSU薬とは異なり、負荷後のごく早期からインスリン分泌を改善する特性を有しており、これが速やかな効果発現につながったものと推察される。2型糖尿病患者では、早期の段階ですでにブドウ糖に応答する初期分泌が失われていることを考慮すると、第1相のインスリン分泌をも改善するグリメピリドの意義は大きい」と述べた。

 経口血糖降下薬の有用性を十分に引き出すためには、効果はもちろん安全性にも配慮する必要がある。柴氏は、「低血糖の発現に細心の注意を払いつつ血糖降下に努めることが重要で、そのためには薬剤の適正な使用と十分な生活指導と経過観察を怠るべきではない」と述べた。

※アマリールの詳細は添付文書(PDF)をご覧ください。