UKPDS 80に代表される長期観察研究により、糖尿病に合併する細小血管障害および大血管障害の発症および進展を阻止するには、早期から厳格に血糖コントロールを行うことの重要性が明らかとなった。2009年5月22日に開催された第52回糖尿病学会年次学術集会のランチョンセミナーにおいて、山口大学の谷澤幸生氏は「合併症を防ぐ糖尿病治療 −血糖コントロールの重要性−」と題して講演を行った。

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早期からの厳格な血糖コントロールと血圧、脂質を含めた総合的な管理が重要
 糖尿病合併症の発症・進展抑制における血糖コントロールの意義は、種々の大規模臨床試験で検討されている。細小血管障害の抑制に関しては、1型糖尿病を対象としたDCCT(Diabetes Control and Complications Trial)および2型糖尿病を対象としたUKPDS(United Kingdom Prospective Diabetes Study) 33で明らかにされた。一方、大血管障害に関しては、UKPDS 80により糖尿病発症後早期からの厳格な血糖コントロールの重要性が示され、Steno-2試験では血糖以外の複数の因子を視野に入れて管理する必要性が示唆された。谷澤氏は、「2型糖尿病における細小血管障害、大血管障害の抑制には、発症後早期から厳格な血糖コントロールをめざすとともに、血圧、脂質を含めた総合的な管理が重要」と述べた。

有効性、安全性、経済性において有用度の高いSU薬
 2型糖尿病の治療にあたっては、個々の患者の病態を的確に把握し、状況に応じて適切な薬剤を使用することが大切である。また、最近では2型糖尿病の進行に膵β細胞機能が関与している可能性が示唆されており、膵β細胞機能の温存を念頭に置いた治療の重要性も指摘されている。谷澤氏は、米国糖尿病学会(ADA)と欧州糖尿病学会(EASD)のコンセンサスアルゴリズムで「十分に実証された中心的治療」として位置づけられているSU薬に着目し、(1)確実な血糖降下作用が得られる、(2)低血糖以外の副作用が少ない、(3)費用対効果に優れる、と特徴をまとめた。SU薬に関しては、膵β細胞のアポトーシスを誘発し二次無効を引き起こすのではないかとの指摘もあるが、現在までにSU薬についてそのようなエビデンスは報告されておらず、グリメピリド(アマリール)などでは長期間にわたり血糖コントロールが良好に維持されることが示されている(図)。谷澤氏は、「2型糖尿病治療において多くの優れた実績を持つSU薬は、有効性、安全性、経済性の面から有用度が高く、今後も経口血糖降下薬の中心的存在として位置づけられるであろう」と、実地臨床における有用性を評価した。

※アマリールの詳細は添付文書(PDF)をご覧ください。