ALS(Amyotrophic Lateral Sclerosis;筋萎縮性側索硬化症)は、「難病中の難病」といわれている疾患である。進行性に運動ニューロンが侵されていくが、現時点では原因もいまだ不明であり、根治療法も存在しない。疾患の進行に伴って日常生活動作のほとんどに介護者の助けが必要となるため、ALS治療においては家族介護者の存在は不可欠であり、すべての面において、患者さんのみでなく、負担の大きい家族介護者への配慮も重要となる。また、多くの身体的、精神的、経済的な問題が次々と患者および介護者にふりかかってくるALSの治療とケアにおいては、とても神経内科医一人で対応しきれるものではなく、多種専門医・治療士によるチーム療法が必要とされる。

 1874年にCharcotにより確立されたALSであるが、1990年代にSOD1変異遺伝子が発見され、引き続き変異SOD1の動物モデルが作成されて以降、ALSについての広範な実験が始まった。やがて、ALSの治療薬として初めてリルゾールが承認され、ALSの研究および治療とケアの改善において、加速度的な進歩がみられるようになった。栄養や呼吸の管理も可能となり、患者の生存期間が延長され、QOLも改善されるようになった現在、米国コロンビア大学神経内科教授の三本博氏は、「今後の展望には明るい光がさしている」と語る。

 本疾患の権威であり、米国において2009年に米国神経学会(American Academy of Neurology;AAN)により10年ぶりに改訂される予定であるALSに関するガイドライン(practice parameter)策定のための委員でもある同氏により、2009年5月に仙台で開催された日本神経学会総会にて、米国におけるALS診療の現状について、チーム療法クリニック、薬物治療、筋力抵抗性運動、栄養管理、呼吸管理といった各側面から具体的に語られた。

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