これまでの研究で脳卒中の危険因子が明らかになっており、糖尿病もその一つとして確立されている。2009年3月21日に開催された第34回日本脳卒中学会総会のランチョンセミナーにおいて、東京女子医科大学 神経内科 内山真一郎氏が「脳卒中 一次予防・二次予防のための糖尿病管理」と題して講演を行った。

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糖尿病は脳梗塞の病型にかかわらず、その発症に関与
 糖尿病が脳卒中の確立された危険因子であることは、国内外の各種疫学研究により示されている。脳梗塞に着目すると、アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞、心原性脳塞栓症といった病型にかかわらず糖尿病は一貫して脳梗塞の危険因子として寄与している可能性が示唆されている(表1)。内山氏は、アテローム血栓性脳梗塞増加の背景として、食生活の欧米化による糖尿病や脂質異常症の増加を挙げ、ラクナ梗塞に関しては発生機序として穿通枝の微小粥腫や分枝粥腫あるいは主幹動脈のアラーム硬化に糖尿病が関与している可能性を指摘した。

日本の実情に合った糖尿病の管理指針が求められる
 脳卒中の一次予防に向けた糖尿病治療の役割は重要で、その意義についてもUKPDSのデータをはじめいくつかの知見が示唆されている。しかしながら、J-TRACE(Japan Thrombosis Registry for Atrial fibrillation, Coronary or Cerebrovascular Events : 脳血管疾患・心疾患に伴う血管イベント発症に関する全国実態調査)において、脳梗塞や心筋梗塞を発症した糖尿病患者のうち35.9%が治療を受けていなかったことが示された。内山氏は、日本人糖尿病の管理はまだまだ不十分であり、日本の実情に合った標準的な糖尿病の管理指針が求められるとした。

トータルリスクマネジメントを念頭に置く
 最近は、2型糖尿病患者を対象とした、スタチン、降圧薬、抗血小板薬などを用いて脳卒中をはじめとする動脈硬化性イベントの発症予防効果を検討する介入試験が盛んに行われており、脳卒中の発症予防には血糖管理、血圧管理、脂質管理をも含めたトータルリスクマネジメントが不可欠であると考えられる。一方、脳卒中の二次予防においても糖尿病が危険因子として重要であることが示唆されている。内山氏は、「脳卒中の危険因子としての糖尿病の重要性がますます高まるなか、一次予防、二次予防の両方の観点から糖尿病管理を徹底する必要がある」と講演を締めくくった。

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