日本人の2型糖尿病ではインスリン分泌障害が多くみられるなど、糖尿病の病態において日本人と白人の間にいくつかの相違点が認められている。2009年1月10日〜11日に国立京都国際会館で開催された第12回日本病態栄養学会年次学術集会のランチョンセミナーにおいて、関西電力病院院長の清野 裕氏が「日本人はなぜ糖尿病になりやすいか? 〜治療戦略も含めて〜」と題して講演を行った。

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日本人2型糖尿病ではインスリン分泌障害にも留意すべき
 1990年以降、日本を含めアジアにおいて糖尿病患者数が急増しており、早急な対応が求められている。清野氏は、日本人と白人では糖尿病の病態にちがいがあることを指摘し、日本人ではインスリン抵抗性がそれほど強くない症例であっても糖尿病を発症することが多いことを一例として示した(図)。同氏は、数千年にわたる生活様式のちがいが日本人と白人の体質の相違を生んだとみており、「穀類中心の食生活を送ってきた日本人の場合には、少量のインスリンしか必要とせず、膵β細胞もそれに順応してきた」と述べた。また、日本人2型糖尿病患者の約60%は非メタボリック症候群である点に着目し、メタボリック症候群だけに注意していると、相当数の2型糖尿病患者を見落としてしまう恐れがあるとした。

図:白人と日本人の病態の相違 −インスリン抵抗−

日本人の特徴を踏まえた血糖管理指針の確立が急務
 インスリン分泌障害が多く認められる日本人2型糖尿病に対しては、膵β細胞上のSU受容体に結合することでKATPチャネルを閉鎖させ、インスリン分泌を促進するSU薬が理にかなった薬剤と言える。実地臨床においては、SU受容体への親和性や代謝時間などを十分に把握した上で、個々の病態に対し最適と考えられる薬剤を選択することが大切である。欧米では、2008年に米国糖尿病学会ADA)と欧州糖尿病学会EASD)のコンセンサスに基づき、病態に応じた対応のアルゴリズムが示されている。清野氏は、「わが国においても、日本人の2型糖尿病の特徴を踏まえた、新たな血糖管理指針の一刻も早い確立が望まれる」と結んだ。

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