第55回日本農村医学会学術総会 が10月に名古屋で開催され、名古屋大学医学部整形外科学教室助教授の松山幸弘氏がランチョンセミナーにおいて「腰部脊柱管狭窄症の診断と治療」と題して以下のような講演を行った。

 腰部脊柱管狭窄症は、脊柱管の狭窄により神経が圧迫されて起こる腰下肢痛を主訴とする症候群である。その圧迫の部位により、馬尾型、神経根型、混合型に分類される。馬尾型では、歩行で悪化する両下肢や会陰部の異常知覚と根性疼痛が主訴となり、神経根型では強い疼痛が現れることが多い。病態としては、歩行により増悪する下肢痛が休息により回復する(間欠跛行)こと、また前屈により疼痛が緩和されることなどが特徴である。

 鑑別疾患としては閉塞性動脈硬化症が重要で、下肢動脈の触知、またはABI(ankle brachial pressure index)の測定により鑑別できる。

 治療においては、まず患者に治療方針の全体像を説明しておくことが重要である。治療を3カ月ほどで一区切りとし、最初の1カ月間は内服薬による血流の改善、コルセットによる固定、および生活指導といった保存療法をきちんと行ってもらう。それらが無効であれば、プロスタグランジン製剤の点滴や神経根ブロックなどを行い、それでも効果がなければ手術も考慮する。この流れを最初から説明しておけば、この間に患者との人間関係も築くことができ、手術に際しても十分なインフォームドコンセントが得ることが可能である。

 健診者に対するアンケートでは、体に痛みやしびれがみられた場合、51%が「入院施設のある整形外科」に、24%が「科を問わず信頼のおける医師」を受診すると答えている。腰部脊柱管狭窄症は内科にも受診する可能性が高いことを認識する必要がある。詳細はこちら(PDF)