第38回日本小児感染症学会学術総会において、外房こどもクリニック(千葉県いずみ市)院長の黒木春郎氏は、セフテラムピボキシル(Cefteram pivoxil;CFTM)細粒の高用量投薬の有効性・安全性と、他の経口セフェム薬の常用量投薬の安全性について発表した。

 近年、抗菌薬の高用量・短期間投薬による感染症治療が注目されているが、小児に対する高用量投薬が承認されている経口セフェム系薬は限られている。CFTM細粒は高用量投薬が可能であり、下痢の出現が少なく、服薬性も良好であることから、CFTMの承認用量(9〜18mg/kg)の最大用量での有効性、安全性を検討するとともに常用量での他の経口セフェム系薬(CE)の副作用発現頻度について検討した。

 本試験は、15歳未満の小児呼吸器感染症(咽喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎)患者367例(CFTM群:259例、CE群:108例)を対象とし、中央登録方式でプロスペクティブに検討した。CFTM群は18mg/kgを分3で原則5日間(肺炎は7日間)投薬し、CE群はそれぞれの承認用法・用量で投薬した。

 有効性について見ると、CFTMは、PISP(ペニシリン低感受性菌)・PRSP(ペニシリン耐性菌)およびBLNAR(β−ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌)に対しても、MIC90(最小発育阻止濃度)が1.0μg/mLを超えることはなく、全体的に良好な感受性を示した。また、各疾患および主な検出菌に対する有効率は、95〜100%の高い値を示した。

 

図1 セフテラムピボキシルの副作用(黒木氏による)

 また安全性の面では、副作用は両群ともに全例が消化器症状であり、発現率はCFTM群5.4%(14/259例)、CE群13.0%(14/108例)であった。特に下痢が問題となる3歳未満の発現率は図1に示した通りであった。

 服薬性は、「飲みやすい」以上がCFTM群で70.7%であり、良好な服薬性を示した。

 以上から、CFTM細粒高用量(18mg/kg)投薬は、小児呼吸器感染症に対して、有効性、安全性、服薬性の優れた治療法として期待できると結論づけられた。(詳細PDFはこちら(添付文書はこちら)