日本脊椎脊髄病学会では一般内科医やプライマリケア医による腰部脊柱管狭窄症LSCS)の初期診断を支援するツールの作成を進めてきたが、このほど、その最終版が完成した。高齢化が進む中、慢性的な腰痛下肢神経症状を訴える患者が増えているが、その原因疾患の一つがLSCSであり、間欠跛行を訴える整形外科受診者の4人に3人が罹患しているとの報告もある。

 診断サポートツールの目的は、数多くの患者の中からLSCSをプライマリケア医、一般内科医が効率的にスクリーニングし、早期診断・治療を可能にすることだ。このため、プライマリケアの現場で簡便に入手できる病歴と診察所見に基づき、本症を確実に発見することを目指した。したがって、脊椎脊髄病の鑑別診断に必須とされる画像所見は含まれていない。

 同学会研究班は本ツール作成のため、3年前から整形外科受診患者を対象に全国調査を実施、LSCSの危険因子について解析作業を進めてきたが、最終的に表1に示す11項目に絞り込んだ。各項目は多変量解析で重み付けし、スコアを割り当てた。診断者は該当する項目のスコアを合計し、7点以上であればLSCSと判定する。診断精度を検討した結果、LSCS患者をLSCSと判定する確率(感度)は92%、非LSCS例を陰性と判定する確率(特異度)は72%だった。
 
 研究班班長の河合伸也氏(山口大副学長)は、「潜在する膨大な数の患者を広く、早く発見するため、ツール作成に当たっては感度を優先した。したがって、陽性判定はLSCSの確率が高いことを示しますが、それで確定診断とするわけにはいかない。癌や感染症などの重篤な疾患を除外することも重要であり、最終的には専門医による鑑別診断が必要だ」と述べ、本ツールが診断基準ではなくスクリーニングの手段であることを強調した。(詳細PDFはこちら)