ドイツUniversität TübingenのBaptist Gallwitz氏

 血糖コントロールが不十分な高齢2型糖尿病(DM)患者においては、メトホルミンリナグリプチンを追加する方が、グリメピリドを追加するよりも、低血糖症が少なく、減量も可能で、血糖管理を有意に向上させることが示された。ドイツUniversität TübingenのBaptist Gallwitz氏らが、12月6日までメルボルンで開催されていた世界糖尿病会議2013IDF-WDC2013)で発表した。

 今回報告されたのは、コントロール不良の2型糖尿病患者に対するメトホルミン療法との併用効果を、リナグリプチンとグリメピリドで比較検討した試験のサブ解析の結果だった。メトホルミン単独療法では血糖管理が不十分な2型糖尿病の高齢患者を対象に、リナグリプチン(5mg、1日1回)あるいはグリメピリド(1-4mg、1日1回)を追加した併用療法を行い、それぞれの有効性と安全性を評価した。

 対象は、65歳以上の2型糖尿病患者で、HbA1c値が6.5-10.0%、メトホルミン(≧1500mg/日)による治療を行っている症例とした。対象を無作為にリナグリプチン(n=251)とグリメピリド(n=255)とに割り付けた。他の経口糖尿病薬とメトホルミンを併用していた場合は、6週間ウオッシュアウト期間を設けた。

 有効性については、最大解析対象集団(FAS: Full Analysis Set、n=497)とプロトコル完了対象集団(PPCC、n=209)で評価を行った。血糖値に基づいた低血糖症の定義は、低血糖症に関するADAの基準(American Diabetes Association Workgroup on Hypoglycemia)を用い、治療対象集団(TS、n=506)で評価した。

 介入の結果、2群間の患者背景には著しい差は見られなかった。ベースラインでは、平均HbA1c値(標準偏差)は、リナグリプチン群とグリメピリド群でそれぞれ7.69%(0.92)と7.64%(0.83)だった。平均年齢はそれぞれ70.0歳(3.9)と70.0歳(3.7)だった。

 第104週時点で、リナグリプチン群の54.3%とグリメピリド群の43.6%の患者が、複合エンドポイントの「低血糖発症なしでHbA1c<7%」を達成した。「低血糖発症なしでHbA1c<7.5%」の複合エンドポイントを達成した割合は、それぞれ78.3%と53.8%だった(両方ともPPCC分析)。

 低血糖発症については、第104週時ではリナグリプチン群の方がグリメピリド群よりも報告が少なかった(9.2% vs. 36.1%、TS分析)。

 また、第104週後の平均体重はリナグリプチン群では減少したが、グリメピリド群では増加した(補正平均変化[標準誤差]、−1.80kg[0.3] vs. 0.76kg[0.3]、群間差:−2.56kg[0.34]、95%CI:−3.22〜1.90、P<0.0001[FAS分析])。

 これらの結果から演者らは、「血糖管理が不十分な高齢の2型糖尿病患者では、メトホルミンにリナグリプチンを加えることで、グリメピリドを追加するよりも低血糖症の発症が少なく、減量が可能で、血糖管理を有意に向上させる」と結論した。