デンマークNovo Nordisk社のErica Nishimura氏

 マウス脂肪細胞を用いた基礎的検討から、インスリン デグルデク(以下、デグルデク)とインスリン アスパルト(以下、アスパルト)はそれぞれ独立して作用しており相乗あるいは拮抗といった相互作用は認められなかったと、12月6日までメルボルンで開催されていた世界糖尿病会議2013IDF-WDC2013)でデンマークNovo Nordisk社のErica Nishimura氏らが報告した。

 インスリンは標的組織の1つである脂肪細胞において、インスリン受容体を介して脂質の生合成を促進する作用がある。Nishimura氏はこれに着目し、ヒトインスリンと2種類のインスリンアナログそれぞれの間で、インスリン作用に関して相乗または拮抗といった相互作用が存在するかを検討した。

 同氏らはマウス脂肪細胞のde novo lipogenesis(DNL)を用い、3H(トリチウム)でラベルしたブドウ糖から脂質への3Hの取り込みを定量することでインスリン作用を評価する系を確立。この系にデグルデク、アスパルト、ヒトインスリンのいずれか2種類のインスリンを加えたときの3Hが取り込まれた脂肪の生成量を測定することで、相互作用が存在するかを確認した。

 具体的には、相互作用を調べる2種類のインスリンについて各8種類の濃度を設定し、計64種類の濃度の組み合わせにおいて3Hが取り込まれた脂肪の生成量を測定、その結果をfour-parameter logistic modelに基づいて解析した。

 この解析モデルでは、係数であるσが正ならば、その実験系に加えた2種類のインスリンの間には相乗作用があり、ゼロであれば相互作用は認められず、負であれば拮抗作用があると判断できる。検討の結果、デグルデクとアスパルト、デグルデクとヒトインスリン、アスパルトとヒトインスリンのいずれの組み合わせにおいても、推定されたσの95%信頼区間はゼロを含んでおり、有意な相互作用(相乗作用または拮抗作用)は認められないと結論された。

 また、デグルデクでは添加するアルブミン濃度を変えた系も設定して検討した。

 Nishimura氏は以上の結果から、「デグルデク、アスパルト、ヒトインスリンはどのように組み合わせても、独立した作用によって脂質生合成を促進させた。デグルデクとアスパルトを配合しても、相乗的および拮抗的な相互作用はなく、得られる作用はあくまで2成分の相加的な作用と考えられる」とまとめた。