米ヒューストンBaylor College of MedicineのAlan J Garber氏

 病態が進行した2型糖尿病患者を対象としたBEGIN Basal-Bolus Type2の延長試験から、持効型溶解インスリンアナログ製剤であるインスリン デグルデク(以下、デグルデク)は、78週間の長期使用時においても低血糖発現頻度がインスリン グラルギン(以下、グラルギン)に対し低いことが確認された。12月6日までメルボルンで開催されていた世界糖尿病会議2013IDF-WDC2013)で、米ヒューストンBaylor College of MedicineのAlan J Garber氏らが報告した。

 BEGIN Basal-Bolus Type2試験は、進行した2型糖尿病患者を対象に、超速効型インスリンアナログ製剤インスリン アスパルト(以下、アスパルト)を用いた強化インスリン療法±経口血糖降下薬において、基礎インスリン製剤として用いたデグルデクとグラルギンの結果を比較した試験である。

 試験期間52週間の結果では、デグルデクは低血糖発現頻度を高めずに良好な血糖コントロールを達成したことが既に報告されている。今回、試験期間をさらに26週間延長し、合計78週間の治療期間における安全性と有効性について検討した結果が発表された。

 BEGIN Basal-Bolus Type2試験には1006例が登録され、829例(82.4%)が52週間の本試験を終了し、757例(75.2%)が延長試験に登録された。

 延長試験に登録された757例の平均年齢は58.8歳、糖尿病の罹病期間は13.4年、HbA1cは8.3%、空腹時血糖値は165.6mg/dL、78週後の1日当たりの総インスリン投与量は両群ともに1.5U/kgだった。

 全ての低血糖(第三者による処置が必要または血糖値が56mg/dL未満)の患者当たりの年間発現件数はデグルデク群9.8件、グラルギン群12.8件であり、デグルデク群で24%有意に低かった(P=0.011)。また、夜間低血糖(全ての低血糖のうち、午前0時01分〜午前5時59分に発生したもの)の患者当たりの年間発現件数も、それぞれ1.27件、1.77件とデグルデク群で31%有意に低かった(P=0.016)。重大な低血糖(第三者による処置が必要な低血糖)の患者当たりの年間発現件数はデグルデク群0.05件、グラルギン群0.06件と両群で低く、かつ同様だった。

 有害事象の患者当たりの年間発現件数はデグルデク群4.1件、グラルギン群4.0件、重篤な有害事象の発現率は両群ともに0.2件、主要心血管イベントの患者当たりの年間発現件数はそれぞれ0.03件、0.02件と両群で同程度だった。

 有効性については、HbA1cは72週までにデグルデク群では1.0%低下し7.2%、グラルギン群では1.2%低下し7.1%だった。群間差(デグルデク−グラルギン)は0.14%(95%信頼区間[95%CI]:−0.01〜0.30)で、有意差は認められなかった。空腹時血糖値はデグルデク群では43.2mg/dL低下して122.4mg/dLに、グラルギン群では39.6mg/dL低下して126.0mg/dLとなり、群間差は−3.42mg/dL(95%CI:−10.62〜3.78mg/dL)で、有意差は認められなかった。

 以上の検討からGarber氏は、「病態が進行した2型糖尿病患者に対する強化インスリン療法について検討した78週の試験結果でも、デグルデクはグラルギンに対し低血糖発現頻度が少ないことが示された。一方、安全性や有効性、基礎インスリンの投与量は、デグルデクとグラルギンで差は認められなかった」と結論した。