写真1 ガイドライン「Managing Older People with Type 2 Diabetes」

 国際糖尿病連合IDF)は12月3日、メルボルンで開催中の世界糖尿病会議2013IDF-WDC2013)において、高齢の2型糖尿病患者の管理を改善するために新たな治療ガイドラインを発表した。

 IDFは、60〜79歳の高齢者では最大19%が糖尿病に罹患していると推定。これは、世界中で1億3400万人にのぼる規模となる。今後も急増が懸念されており、2035年までに2億5200万人を超えると予測している。IDFはまた、最大で2型糖尿病を持つ人々の半分は、診断されていない状態にあると推定。診断される前に合併症を発症する事例が増大すると警戒している。このため、特に高齢者に焦点を当てた糖尿病治療のためのグローバルなガイドラインが必要と判断、今回の新ガイドラインの刊行に至った。

 新ガイドラインの名称は「Managing Older People with Type 2 Diabetes」(写真1)。ガイドライン発行に至った経緯に始まり、高齢者のための質の高い糖尿病ケアの必要性、新ガイドラインの基本的な考え方、高齢の2型糖尿病患者の機能的なカテゴリーなど、23章から構成されている。「スクリーニング、診断、予防のあり方」「栄養、身体活動、運動の考え方」「教育指導、自己管理の必要性」などはもちろん、「心血管リスク」「血圧コントロール」「腎機能障害」および「糖尿病性足部病変」など、幅広い領域での解説を展開している。「性の健康と生活の質」を取り上げた章も盛り込まれている。

 ガイドラインの著者の一人である英国Bedfordshire大学教授のAlan Sinclair氏は、「多くの研究結果は、医療の専門家の多くが高齢者のための教育やケアについての知識が十分ではないことを示している」との現状認識を示したうえで、「政府の健康政策は、高齢者の特定のニーズに対応したものでなければならず、糖尿病を持つ高齢者のケアを充実させるために、医療専門家の知識と能力を向上させる戦略も盛り込むべき」とし、政策立案の上でも新ガイドラインが活用されることへの期待を語っている。


■訂正
 12月10日に以下の訂正を行いました。
・2段落目に出てくる「134万人」は「1億3400万人」、「252万人」は「2億5200万人」の間違いでしたので訂正します。