持効型溶解インスリンアナログ製剤であるインスリン デグルデク(以下、デグルデク)の第3相臨床試験のデータを用いた新たなメタ解析から、2型糖尿病の罹病期間が10年を超える患者においても、デグルデクによる低血糖の発現リスクは一貫して低いことが示された。12月6日までメルボルンで開催中の世界糖尿病会議2013IDF-WDC2013)で、英国Royal Liverpool University HospitalのJ Vora氏が報告した。

 本メタ解析は、インスリン治療歴のない2型糖尿病患者を対象としたBEGIN Once Long、BEGIN Once Asia、BEGIN Low Volume、BEGIN Flexおよびインスリン治療歴のある2型糖尿病患者を対象としたBEGIN BBの計5つの第3相臨床試験の併合データを用いた。

 いずれの試験でも、経口血糖降下薬の併用あるいは非併用下で、デグルデクおよびインスリン グラルギン(以下、グラルギン)1日1回投与を26週または52週間実施し、有効性と安全性について投与群間で比較した。これら5試験はいずれも、空腹時血糖値が70〜90mg/dLになるように、あらかじめ定められたアルゴリズムでインスリン投与量を調節するtreat-to-target法で実施された。

 糖尿病罹病期間が10年を超えていた患者は1651例(デグルデク群1143例、グラルギン群508例)で、試験に登録された全症例の49%を占めていた。

 罹病期間10年超の患者集団において、デグルデク群のHbA1cはベースライン時の8.3%から試験終了時は7.2%に、グラルギン群では8.3%から7.1%に低下した。試験終了時のHbA1c値の変化量の群間差は0.08%(95%信頼区間[CI]:−0.02〜0.17)で、有意差は認められなかった。

 空腹時血糖値は、デグルデク群ではベースライン時の165.8mg/dLから試験終了時は109.0mg/dLに、グラルギン群では165.0mg/dLから117.7mg/dLに低下した。空腹時血糖値の低下量は、グラルギン群と比較してデグルデク群で大きく、統計的な有意差がみられた(群間差−10.1mg/dL、95%CI:−14.2〜−5.8、P<0.01)。

 1日基礎インスリン投与量は、デグルデク群の方がグラルギン群に比べて8%少なく、その差は統計的に有意だった(P=0.007)。

 重大な低血糖(第三者による処置が必要な低血糖)の患者当たりの年間発現件数は両群ともに低く、かつ同程度だった。一方、全ての低血糖(重大な低血糖及び低血糖症状の有無にかかわらず血糖値が56mg/dL未満)の患者当たりの年間発現件数は、デグルデク群の方がグラルギン群より21%低く、夜間低血糖(全ての低血糖のうち、午前0時01分〜午前5時59分に発生したもの)の患者当たりの年間発現件数もデグルデク群の方が29%低く、いずれも統計的な有意差がみられた(どちらもP<0.01)。

 今回の10年超の患者を対象としたすべての低血糖および夜間低血糖のメタ解析で得られた結果は、全症例を対象とした解析で報告されたものと同様の傾向がみられた。

 Vora氏は、「罹病期間が10年を超える患者を対象とした解析結果においても、デグルデクはグラルギンに比べ空腹時血糖値の改善効果が大きく、低血糖の発現リスクを軽減することが示された」と結論した。