ドイツEssen University of Duisburg-EssenのSusanne Moebus氏

 2型糖尿病(DM)患者は、脳血管性認知症アルツハイマー病との関連が指摘されている。ドイツのHeinz Nixdorf Recall Study登録者を対象に、2型DMと軽度認知機能障害MCI)の関連を調べたところ、女性患者についてはMCIの発症と有意な関連が見られたが、男性については関連が見られなかった。12月2日から6日までメルボルンで開催されていた世界糖尿病会議2013IDF-WDC2013)で、ドイツEssen University of Duisburg-EssenのSusanne Moebus氏らが発表した。

 対象は、2005〜2008年にHeinz Nixdorf Recall Studyに登録した50〜80歳のドイツの都市部の4063人。

 そのうち、医師の診断または処方歴の申告から2型DMと判断された患者(DM群)は男性325人、女性218人だった。DM群に分類されなかった人で、空腹時血糖≧7.0mmol/L、随時血糖≧11.1mmol/Lの場合には未診断2型DM(uDM群)とした。uDMは、男性129人、女性69人だった。

 認知機能テスト(Neuropsychological examination)を実施し、教育と年齢で補正した平均値の1.5SD未満の場合にMCIと診断した。MCIはさらに健忘型MDI、非健忘型MCIの2つのサブタイプに分類した。

 男女別に、MCI、健忘型MDI、非健忘型MCIのそれぞれについて多変量ロジスティック回帰分析を行った(冠動脈疾患のリスクファクターで補正)。その結果、MCIと有意な関連が見られたのは、女性DM群のみで、オッズ比(OR)は1.42(95%信頼区間[95%CI]:1.04-1.93)だった。女性DM群は健忘型MCIとも弱い関連が見られ、リスクが高まる傾向が見られた(OR:1.71、95%CI:0.98-2.95)。

 しかし男性DM群については、いずれのMCIとも関連が見られなかった。uDM群は、男女ともにいずれのMCIとも関連は見られなかった。

 Moebus氏は、「女性の2型DM患者においてはMCIとの関連が示されたが、男性では関連が見られなかった。これらの性差についてはさらなる研究が必要だ」と話した。ディスカッションでは、低血糖発作、ApoE4、インスリン濃度などの影響も考慮して関連を調べる必要があるのではないかとの意見も見られた。