正常血糖グルコースクランプ法による検討から、1型糖尿病患者におけるインスリン デグルデク/インスリン アスパルト配合剤(以下、IDegAsp)の血糖降下作用(薬力学的作用)は高齢患者と若年患者で同様であることが分かった。12月2日から6日までメルボルンで開催中の世界糖尿病会議2013IDF-WDC2013)で、オーストリアMedical University of GrazのThomas R. Pieber氏らが発表した。

 Pieber氏らは今回、高齢1型糖尿病患者を対象としてIDegAspと二相性インスリン アスパルト 30(二相性プロタミン結晶性インスリンアナログ製剤)の薬力学的作用プロファイルを比較し、年齢による影響を検討した。なお、本発表ではIDegAspのデータのみが提示された。

 対象は高齢15例(年齢65歳以上)および若年13例(年齢18〜35歳)の1型糖尿病患者で、インスリンによる治療を12カ月以上(1.2 U/kg/日以上)実施しており、BMIが18.0〜28.0kg/m2、HbA1c値が10.0%以下、空腹時Cペプチドが0.3nmol/L未満の患者を組み入れた。

 両群のBMI、HbA1c、男女比に大きな違いはなかった。平均年齢は高齢患者で68.2歳、若年患者で25.4歳、糖尿病の平均罹病期間は高齢患者で34.4年、若年患者で13.0年だった。

 IDegAsp(0.5 U/kg)単回投与による薬力学的作用について、正常血糖グルコースクランプ法を投与26時間後まで実施し、高齢患者と若年患者で比較した。

 IDegAsp投与後のグルコース注入速度(glucose infusion rate:GIR)プロファイルには、高齢患者および若年患者いずれにおいても、インスリン アスパルトによる速やかな作用発現と明らかなピークが認められた。その後、インスリン デグルデクによる平坦な基礎インスリンの作用が認められ、クランプ期間を通じてその状態が維持された。

 IDegAsp投与後24時間の平均GIR曲線下面積(AUCGIR0-24h)は、高齢患者で1794mg/kg、若年患者で1786mg/kgと同様であり、若年患者に対する高齢患者の比の推定値は1.01(95%信頼区間:0.69-1.47)で、統計的な有意差を認めなかった。また、最大GIRは高齢患者で3.9mg/kg/min、若年患者で4.4mg/kg/min、さらに最大GIR到達時間の中央値は高齢患者で2.8時間、若年患者で2.3時間であり、どちらも大きな違いはなかった。

 IDegAspの忍容性は高齢患者および若年患者いずれにおいても良好であり、安全性に関して特記すべき問題は認められなかった。

 Pieber氏は、「若年患者と同様に高齢1型糖尿病患者に対しIDegAspを投与した場合でも、インスリン アスパルト画分による明確な作用のピークとインスリン デグルデク画分による一定で持続する作用が認められた」としている。