米State University of New YorkのHarold E. Lebovitz氏

 経口糖尿病治療薬では十分にコントロールできない薬剤抵抗性の2型糖尿病(DM)患者に対して、胃に電気刺激を与える埋め込み型デバイスによる治療(gastric electrical stimulationGES)が試みられている。今回、空腹時の血漿トリグリセリド(TG)値が1.7mmol/L(150mg/dL)以下であれば、少なくとも3年間は血糖コントロールの改善や体重減少などの効果が維持されることが明らかになった。米State University of New YorkのHarold E. Lebovitz氏らが、12月2日から6日までメルボルンで開催中の世界糖尿病会議2013IDF-WDC2013)で発表した。

 GESのデバイスであるDIAMONDシステム(MetaCure社)は、電気刺激を定期的にではなく、食物を摂取した際に起こす。その電気刺激によって胃が収縮し、満腹感が生じるという。

 DIAMONDシステムはこれまでに、薬剤抵抗性の2型糖尿病患者に対する有用性が報告されている。81例のデータを見ると、HbA1c値はベースラインの8.4%から6カ月後には7.5%に低下。体重も同様に106.8kgから102.5kgに減少した。患者の50%はインスリンやGLP-1受容体作動薬を使用せず、2剤以上の経口糖尿病治療薬を服用していた。同システムは3カ月後に腹腔鏡下に埋め込み、特別な食事療法や運動といった制限は設けなかった。

 また、Lebovitz氏らは最近、電気刺激に伴うHbA1cの変化とベースラインの空腹時血漿TG値が関連することを報告している。そこで36カ月間の追跡データを基に両者の関係を検討した。

 検討対象を、TG値が1.7mmol/L以下の正常群(32例)と、1.7mmol/L超の高値群(41例)に分けたところ、正常群では、HbA1cが3カ月後から改善し、その効果は3年間維持されていた。一方、高値群では、当初はHbA1cが改善していたものの、徐々に悪化する傾向にあり、ベースラインの値を下回っていたのは24カ月後までだった。

 体重については、正常群においてゆるやかな低下傾向が36カ月後まで認められた。それに対し、高値群では24カ月後まではベースラインよりも減少していたが、36カ月後は増加していた。また、体重減少が10kg以上だった割合は、12、24、36カ月後のいずれにおいても正常群の方が高値群より多く、なかでも24カ月後は両群に有意差が見られた(P<0.01)。

 これらの結果からLebovitz氏は、「空腹時におけるTG値が正常な患者だと、GESは少なくとも3年間に渡り血糖コントロールの改善および体重減少の効果を維持することが示された」と結論した。