実臨床における2型糖尿病へのインスリン治療の有効性と安全性を検討したA1chieve studyのサブ解析から、持効型インスリンアナログ製剤インスリン デテミル(以下、デテミル)と超速効型インスリンアナログ製剤インスリン アスパルト(以下、アスパルト)の併用治療の導入により、低血糖リスクを高めずに血糖コントロールの改善が期待できることが分かった。12月2日からメルボルンで開催中の世界糖尿病会議2013IDF-WDC2013)で、サウジアラビアHai Aljamea HospitalのNabil El Naggar氏らが報告した。

 A1chieve studyは、実臨床における2型糖尿病へのインスリンアナログ製剤治療の有効性と安全性を検討するため、大規模かつ多様な患者集団を対象にして行われた国際共同多施設前向きの観察研究。アジア、アフリカ、ラテンアメリカ、欧州の28カ国の患者6万6726例を登録し、24週追跡した。

 臨床現場での実態を反映させるため患者の組み入れ基準や除外基準は最低限にとどめ、インスリンアナログ製剤の選択は主治医の判断に委ねた。インスリンアナログ製剤は、デテミル、アスパルト、二相性インスリンアスパルト30から選択した。評価項目は24週後のHbA1c、空腹時血糖値、朝食後血糖値、インスリン投与量、低血糖発現率、健康関連QOL(EQ-5D質問票で評価)とした。

 今回は、登録例の中からインスリン グラルギン(以下、グラルギン)+食前投与のインスリン(複数回)±経口血糖降下薬で血糖コントロール不十分のため、インスリン治療をデテミル+アスパルトに切り替えた症例を抽出し、その有効性と安全性を検討した。

 解析対象は141例で、年齢は52.0歳、男性比率は47.5%、体重は82.4kg、BMIは30.0kg/m2、糖尿病罹病期間は11.3年、インスリン使用期間は5.0年だった。

 インスリン治療をグラルギン+食前投与インスリンからデテミル+アスパルトに切り替えることで、HbA1cはベースライン時の8.8%から24週後には1.4ポイント低下し、7.4%になった(P<0.001)。

 また、空腹時血糖値は183.6mg/dLから131.4mg/dLに52.2mg/dL低下、朝食後血糖値も230.4mg/dLから163.7mg/dLに66.6 mg/dL低下した(どちらもP<0.001)。なお、総インスリン投与量はベースライン時の0.84 U/kg/日から、24週後には0.99 U/kg/日に増加した。

 患者・年当たりの低血糖エピソードの発現件数は、ベースライン時の9.68回から24週後には8.41回に減少した。主要な低血糖エピソードはベースライン時には1.20回だったが、24週後は0.00回だった。

 体重は試験期間を通じて安定して推移し、EQ-5D質問票による患者QOLは、ベースライン時の61.3%から24週後は68.3%に改善した。

 El Naggar氏は、「グラルギン+食前投与インスリンのレジメンからデテミル+アスパルトの治療に切り替えることで、低血糖リスクを高めずに血糖コントロールが改善することが示された」と結論した。