イタリアUniversity campus bio-medicoのA.Soare氏

 手首の太さである手首囲は、肥満者の中でインスリン抵抗性の2型糖尿病(DM)患者を予測する上で、簡易で低コストなマーカーとなりうることが示唆された。イタリアUniversity campus bio-medicoのA.Soare氏らが、12月2日から6日までメルボルンで開催中の世界糖尿病会議2013IDF-WDC2013)で発表した。

 手首囲は、インスリン抵抗性の独立したマーカーであり、インスリン抵抗性指数(HOMA-IR)をはじめ、太りすぎや肥満の子どもの空腹時インスリン値などと強い相関を持つことが報告されている。最近では、手首囲を測定した対象を8.8年追跡した研究により、手首囲は省コストで簡易な2型DM予測マーカーとして使用できることが示唆されている。Soare氏らは今回、手首囲が2型DM患者のマーカーとなる可能性をレトロスペクティブに検討した。

 性別、年齢、BMIをマッチさせた2型DM患者群(38例、男性19例、年齢66±7.9歳、BMI 33±6.2kg/m2)と非糖尿病肥満群(38例、男性19例、年齢61±9.7歳、BMI 35±5.7kg/m2)に分けて、対象の手首囲、BMI、HOMA-IRを評価した。手首囲は、テープ製巻尺で0.1cm単位で測定した。

 その結果、手首囲とHOMA-IRは、2型DM患者群においてのみ有意な相関を示した(P=0.029)。また、手首囲がインスリン抵抗性(HOMA-IR 2.6以上と定義)の予測マーカーとして有用であるかを調べるためにROC曲線下面積を算出したところ、2型DM患者群は0.758(P=0.011、95%信頼区間:0.59-0.92)となり、2型DM患者群において手首囲がインスリン抵抗性の予測マーカーとして有用であることが示された。

 さらに性別に分けて検討したところ、2型DM患者群の男性の手首囲は、非糖尿病肥満群の男性に比べ、有意に短かいことが分かった(P<0.05)。一方、女性の場合は2群間で有意差を認めなかった。なお、2型DM患者群の男女間を比較すると、平均HOMA-IRは男性3.7±1.9、女性3.0±2.4で、インスリン抵抗性に有意差は認められなかった。

 SOARE氏は、「2型糖尿病は世界的に増加しており、社会的に、特に肥満者においては2型糖尿病の簡易な予測マーカーが必要とされている。今回の結果は、(特に男性において)手首囲がインスリン抵抗性を有する2型糖尿病を区別できる可能性を示唆するものだった」とまとめた。