フィンランドPirkanmaa Hospital DistrictのNina Rautio氏

 糖尿病ハイリスク者を対象に、1年間の身体活動量食事の改善が心血管疾患(CVD)の発症に及ぼす影響を検討したところ、10年間推定CVD発症リスクは減少したが、10年間推定死亡リスクは変わらなかったことが示された。12月2日からメルボルンで開催中の世界糖尿病会議2013IDF-WDC2013)で、フィンランドPirkanmaa Hospital DistrictのNina Rautio氏らが発表した。

 対象は、Finnish diabetes prevention program(FIN-D2D)に参加して生活習慣改善のカウンセリングを受けた糖尿病ハイリスクの男性1339人、女性2541人。1年間のフォローアップを行い、10年間推定CVD発症リスクはFramingham Risk Score(FRS)で、10年間推定CVD死亡リスクはSystematic Coronary Risk Evaluation Formula(SCORE)で算出した。

 1年後のフォローアップでFRSを算出できたのは、男性774人、女性1474人、SCOREを算出できたのは男性961人、女性1766人だった。

 質問票による聞き取りで、1年間の身体活動量および食事の改善具合について確認したところ、身体活動+食事の改善が確認されたのは男性9.6%、女性14.2%だった。身体活動のみの改善は男性4.1%、女性3.9%、食事のみの改善は男性39.3%、女性39.2%、いずれも改善なしは男性47.0%、女性42.7%と男女ともに約半数に及んだ。

 FRSによる10年間CVD発症リスクは、いずれも改善なし群と比較して、食事のみ改善群(P<0.05)と、身体活動+食事の改善群(P<0.001)で有意に減少した。一方、女性においては、身体活動+食事の改善群でのみCVD発症リスクは減少したが(P<0.05)、男性の同群における改善率に比べるとわずかだった(FRSのスコアの変化量:男性−3.5%、女性−1.5%)

 さらに、10年間推定CVD死亡リスクをSCOREで求めたが、身体活動および食事の改善は推定死亡リスクに影響を及ぼさなかった。

 Rautio氏は、「専門家の指導に従って、身体活動量を増やしたり食事制限を行ったりして生活習慣を改善すると、CVDの推定発症リスクは軽減することが示された。特に男性においては、食事と身体活動の両方を改善した場合に最も発症リスクは軽減した。ただし、死亡リスクに対する効果については確認できなかった」と話した。