2型糖尿病(DM)患者に家庭用エクササイズゲーム「Wii Fit Plus」を提供すると、身体活動時間が増加し、血糖コントロールQOLが改善することが示された。ドイツWest-German Center of Diabetes and HealthのKerstin Kempf氏らが、12月2日にメルボルンで開幕した世界糖尿病会議2013IDF-WDC2013)で発表した。

 2型糖尿病治療において、生活習慣への介入は有効ではあるが、それぞれの状況に応じた対応が必要となったり、コストがかかったりする。そこで今回Kempf氏らは、2型糖尿病患者がWii Fit Plusを12週間に渡って自発的に使用した場合、健康的な生活習慣や生活の質の向上につながるかどうかを、無作為化比較試験で検証した。

 対象とした2型糖尿病患者220人を、介入群(120人、男性46%、62歳)、対照群(100人、男性46%、60歳)の2群に無作為に割り付けた。介入群には、Wii本体とバランスWiiボード、エクササイズゲームのWii Fit Plusを12週間貸与した。バランスWiiボードはセンサーが内蔵された板型の操作器で、ボードの上に乗った人が体全体を動かして操作するもの。このボード上で、ゲームのメニューにあるトレーニングを行う。一方、対照群は、通常の治療を受けた。

 12週間の試験を完遂したのは、介入群93人、対照群83人だった。介入群において試験開始時に比べ12週間後に有意に改善した項目は、HbA1c値(0.3%、P<0.001)、空腹時血糖値(7.7mg/dL、P=0.04)、体重(1.2kg、P<0.001)、BMI値(0.4kg/m2、P<0.001)だった。自己申告による日常身体活動度も有意に増加した(P<0.001)。

 さらに、介入群では複数の評価指標も有意に改善した。糖尿病による負担感情の自己評価「PAID」のスコア(P<0.001)、精神的健康尺度「SF-12」のスコア(P=0.02)、主観的な精神的健康尺度「WHO-5」のスコア(P<0.01)、QOL(P=0.03)を用いて検証しており、それぞれ有意差が認められた。うつ病患者(PAIDスコア39%超、WHO-5スコア52%以下、QOLスコア40%以上だった場合にうつ病と定義)も有意に減少した(P=0.02)。

 なお、対照群では12週間の通常治療の後、12週間の介入を行っており、54人が完遂した。この介入した対照群においても、血糖コントロールやQOLなどの改善が介入群と同じように認められた。

 これらの結果からKempf氏は、「2型糖尿病患者において、Wii Fit Plusのような実施が容易な介入により、身体活動度や血糖コントロール、QOLが向上し、やる気を引き出すことができた。家庭用運動ゲームは、家庭環境における座位での活動時間を減少させる上で有用な可能性がある」と述べた。