韓国のThe Catholic University of KoreaのSun-Hye Ko氏

 メトホルミンの使用で、ビタミンB12欠乏症が起こる恐れがあることが指摘されているが、投与期間が長いほど、1日の投与量が多いほどそのリスクが高まることが示された。メトホルミンの投与期間が3年以上、あるいは投与量が1000mg/日以上の場合には、VB12欠乏症のリスクが有意に高まることを、韓国のThe Catholic University of KoreaのSun-Hye Ko氏らが、12月2日にメルボルンで開幕した世界糖尿病会議2013IDF-WDC2013)で発表した。

 対象は、2012年1月から9月までに韓国のAt.Vincent's Hospitalを受診した2型糖尿病患者799人(平均年齢59歳、男性44.3%、平均罹患期間11.3年)。メトホルミンの投与期間は、3年未満が35.8%、3〜5年が28.8%、5年以上が33.5%。メトホミンの投与量は、1000mg/日以下が62.5%、1000mg/日超〜2000mg/日未満が25.5%、2000mg/日以上が12.0%だった。

 799人のうち、VB12欠乏症(血清VB12値<300pg/mL)は76人(VB12欠乏症群)で、VB12正常群に比べてメトホルミン投与期間が有意に長く(6.9年 対 4.4年、P<0.001 )、メトホルミン投与量が有意に多かった(1488.8mg 対 1163.1mg、P<0.001)。

 そこで、VB12欠乏症のリスクに関してロジスティック回帰分析を行ったところ、メトホルミン投与期間が3年未満のオッズ比(OR)を1とした場合、投与期間3〜5年ではORが2.82(95%信頼区間[95%CI]:1.13-7.02、P=0.026)、5年以上ではORが8.13(95%CI:3.43-19.26、P<0.001)と、投与期間が長いほどORは大きくなった。

 また、投与量1000mg/日以下のORを1とした場合、1000mg/日超〜2000mg/日未満ではORが2.73(95%CI:1.42-5.24、P=0.003)、2000mg/日以上ではORが4.78(95%CI:2.36-9.70、P<0.001)と、同様に投与量が高いほどORは大きくなった。

 投与期間45.5カ月未満でかつ1000mg/日以下の場合のVB12欠乏症の有病率を求めると2.87%となり、これに対し、投与期間45.5カ月以上でかつ1000mg/日超の場合の発症率は26.28%と約10倍も高くなった。

 これらの結果からKo氏は、「メトホルミンの投与期間が3年以上、または1000mg/日以上の場合には、VB12欠乏症のスクリーニングを行うなどで、予防対策を行っていく必要があるだろう」と話した。