オーストラリアのMonash UniversityのJ.Wentworth氏

 高度肥満を伴う2型糖尿病(DM)患者に対する肥満外科手術は、内科的治療よりも短期間で高い治療効果が得られることが報告されているが、その推奨基準はBMI35kg/m2以上の患者となっている。しかし、オーストラリアのMonash UniversityのJ.Wentworth氏らが、この推奨基準に達しないBMI25〜30kg/m2の2型DM患者を対象に胃バンディング術を実施したところ、2年後の寛解率は48%で、やはり内科的治療群(8%)よりも有意に高かった。これらの結果は、12月2日メルボルンで開幕した世界糖尿病会議2013IDF-WDC2013)で発表された。

 対象は、BMI25〜30kg/m2の2型糖尿病患者51人(平均年齢53歳、男性43%、平均BMI29kg/m2)。メトホルミンなどの内科的総合治療群(25人)と、内科的総合治療+胃バンディング術を行った外科治療群(23人)を追跡し、2年後の寛解率、冠動脈疾患リスクなどを比較した。

 その結果、寛解基準(空腹時血糖<7.0mmol/L、2時間OGTT値<11.1mmol/L)に達した割合は、内科的治療群が8%に対し、外科的治療群は48%と有意に高かった(P<0.01)。体重の減少は外科的治療群が11kg、内科的治療群が1kgだった。

 また、2年後の拡張期血圧(外科的治療群77mmHg 対 内科的治療群82mmHg、P=0.05)、中性脂肪(1.1mmol/L 対 1.8mmol/L、P<0.01)、HbA1c<7%(21% 対 15%、P=0.02)、身体的QOL(55 対 46、P=0.001)についても、外科的治療群の方が良好だった。ただし、外科的治療群において、食道閉塞による緊急対応(3人)、修正手術(1人)などの有害事象が発生した。

 Wentworth氏は、「BMIが25〜30kg/m2の過体重の2型DM患者においても、胃バンディング術は内科的治療よりも血糖値や血圧、中性脂肪値などで有意な改善をもたらすことが示された」と結論。 「本研究の結果を踏まえると、2型DM患者の肥満外科手術のカットオフ値は、BMI35kg/m2よりも低くすべきと考えられるが、さらなる議論が必要だ」と考察した。