IDF会長のMichal Hirst氏

 IDF(国際糖尿病連合)主催の第22回世界糖尿病会議IDF-WDC2013)が12月2日、オーストラリアのメルボルンで開幕した。3日からは学術セッションのプログラムもスタートし、6日までの5日間に渡って、今後、患者の急増が懸念されている“糖尿病パンデミック”をどのように抑制していくのか、その対策について基礎と臨床、さらには社会科学的な視点から様々な議論が行われる。

 IDFのWDCは1952年にオランダのライデンで第1回を開催。以後、2009年のカナダ・モントリオール大会まで3年ごとに開催されてきた。2011年ドバイ大会からは2年に1度の開催に変更、今年のメルボルン大会で第22回を数えるまでになっている。今大会も160以上の国・地域から1万5000人が参加する見込み。

 2日夕刻に開かれたオープニングセレモニーで登壇したIDF会長のMichal Hirst氏(英国)は、WHOの西太平洋地区の糖尿病患者数が世界全体の3分の1を占めていることに言及。診断されていない患者が最も多く、また糖尿病に起因する死者数も最多であると指摘し、西太平洋地区の中心都市の1つであるメルボルンで会議を開催することの意義を強調した。

 例えば、オーストラリアでは糖尿病患者が人口の8%を占めており、これが今後20年間で14%まで急増すると予想されている。特に原住民であるアボリジニにおいて事態は深刻で、ほかのオーストラリア人よりも3〜4倍多いと見られている。オーストラリアに限らず、中国やインド、あるいは日本でも糖尿病急増の予測は同じで、こうした世界的な増加は“糖尿病パンデミック”と称されることも珍しくなくなっている。今大会は、この“糖尿病パンデミック”をどのように抑制していくのかが最大のテーマとなる。

 プログラムに目を転じると、今回の会議は「Basic and Clinical Science」「Diabetes in Indigenous Peoples」「Diabetes Research in the 20th Century: a Historical Perspective」「Education, Integrated Care」「Global Challenges in Health」「Living with Diabetes」「Public Health and Epidemiology」の7分野を設定している。その上で、シンポジウム、ワークショップ、ディベートのほか、一般口演、ポスター発表などの各セッションに分かれて議論を展開する。

 5日間に渡り、日常診療に直結する薬物治療の最新知見をはじめ、運動療法や食事療法、さらには生活習慣改善のための介入方法の成果などを発表する注目演題が目白押し。最終日には、会議の目玉である「Late-breaking clinical trials」が予定されており、臨床試験のSAVORやEXAMINEなどの成果が発表される。

会場となったメルボルン・コンベンションセンター