ナイジェリアの高齢者では、本態性高血圧症の患者うち、糖尿病耐糖能障害あるいは空腹時血糖異常でありながら、診断を受けていない患者の割合が約半数近くに上ることが報告された。高血圧が認められない人でも、同割合は約2割に達した。これは、ナイジェリアIbadan大学のTemilola Akande氏らが、高血圧とそうでない人の計230人について行った断面調査で明らかにしたもので、12月4日から8日までドバイで開催された世界糖尿病会議(WDC2011)で発表した。

 Akande氏らは、ナイジェリアに住む、高血圧患者115人と、高血圧の認められないコントロール群115人について調査を行った。被験者の平均年齢は高血圧群が74.5歳(標準偏差:13.8)、コントロール群が72.4歳(同:15.4)だった。

 平均BMIは高血圧群が27.8(標準偏差:5.0)、コントロール群が26.3(同:5.0)、平均胴囲はそれぞれ94.8(同:14.9)と89.7(同:11.6)と、いずれも高血圧群で高値だった(それぞれP=0.020、P=0.004)。

 空腹時血糖値の平均は、高血圧群が92.9mg/dL、コントロール群が89.2mg/dLと両群で有意差はなかったが、75g糖負荷試験2時間後血糖値はそれぞれ141.2mg/dLと121.8mg/dLと、高血圧群が有意に高かった(P<0.001)。

 なお、糖尿病の定義は、空腹時血糖が7.0mmoL/L以上、75g糖負荷試験2時間後血糖が11.1mmoL/L以上とした。耐糖能障害の定義は、空腹時血糖が7.0mmoL/L未満、75g糖負荷試験2時間後血糖が7.8〜11.1mmoL/Lとした。空腹時血糖異常は、空腹時血糖が6.1〜6.9mmoL/L、75g糖負荷試験2時間後血糖が7.8mmoL/L未満とした。

 調査時点で診断されていなかった糖尿病の罹患率は、高血圧群が12.2%(14人)、コントロール群が4.3%(5人)で、高血圧群が有意に高かった(P=0.002)。耐糖能障害の罹患率は、高血圧群が32.2%(37人)、コントロール群では14.8%(17人)で、高血圧群の方が有意に高かった(P=0.002)。また、診断を受けていない空腹時血糖異常の罹患率は、それぞれ2.6%(3人)と0%だった。

 糖尿病と耐糖能障害、空腹時血糖異常を合わせると、診断を受けていなかった割合は、高血圧群では47%と半数近くにのぼり、コントロール群でも19.1%と2割近かった。

 Akande 氏は、今回明らかになったナイジェリアにおける高血圧患者の潜在糖尿病率、耐糖能障害率は、「我々の予測よりも、高かった」とした。中でも、耐糖能障害は早期診断による糖尿病予防が重要なため、特に高血圧の患者では積極的に定期スクリーニングをすべきだとした。

 ただ、今回の試験結果で高血圧群とコントロール群で空腹時血糖値(平均)に有意差がなかったことから、「スクリーニングには空腹時血糖検査だけではなく、糖負荷試験検査が重要だ」と語った。同氏によると、ナイジェリアなどの発展途上国では、安価で簡便であることから、糖尿病などのスクリーニングとして空腹時血糖検査の実施が一般的だという。

(日経メディカル別冊編集)