クウェートのKuwait大学のO.A.Mojiminiyi氏

 RBP4/アディポネクチン比メタボリックシンドローム(MetS)の検出マーカーとして有用であることが示された。12月4日から8日までドバイで開催されていた世界糖尿病会議(WDC2011)で、クウェートのKuwait大学のO.A.Mojiminiyi氏らが発表した。

 レプチンやアディポネクチン、RBP4、レジスチンなどのアディポサイントカインは、脂質代謝などに直接的に重要な作用をもつ生理活性物質で、インスリン抵抗性の上昇などにも影響を及ぼすとされるが、MetSの基準にはいずれも含まれていない。そこで演者らは、これらのアディポサイトカインのうち、異なる作用をもたらすRBP4とアディポネクチンについて、中性脂肪やHDLコレステロールに代わるMetSの有力な識別基準となるうるかを検討した。

 2型糖尿病患者98人(T2DM群)、それらの1親等者 で正常血糖の191人(FDR群)を対象に、空腹時のRBP4、アディポネクチン、インスリン、血糖値、血清脂質などを測定した。インスリン抵抗性の指標はMOMA-IRで評価した。MetSの診断は国際糖尿病連合(IDF)基準を用いた。

 その結果、T2DM群はFDR群と比較して、RBP4が高く(T2DM群29.6μg/mL 対 FDR群24.5μg/mL、いずれも平均値、以下同)、RBP4/アディポネクチン比も高い(4.7 対 3.6)傾向が見られた。逆にアディポネクチンは、胴囲径が同等であったにも関わらず、T2DM群はFDR群と比較して低い傾向が見られた(7.4μg/mL 対 8.6μg/mL)。

 MetS基準の該当項目数(高中性脂肪、高血圧など)が増えるにつれ、RBP4/アディポネクチン比は段階的に増える傾向が、またアディポネクチンは段階的に減少する傾向が見られた。

 ROC解析で各マーカーの検出精度を評価した結果、MetSの判定におけるROC曲線下面積(AUC)は、RBP4が0.659、アディポネクチンが0.676、RBP4/アディポネクチン比が0.745で、3つのマーカーの中でRBP4/アディポネクチン比のAUCが最も高かった。なお、中性脂肪のAUCは0.820、HDLコレステロールは0.637だった。

 Mojiminiyi氏は、「代謝異常に直接的に関与するRBP4やアディポネクチンは、MetSの検出に有用であることが示された。中でもRBP4/アディポネクチン比の検出精度は、中性脂肪やHDLコレステロールに匹敵することが示唆された」とまとめた。

(日経メディカル別冊編集)