スウェーデンLinkoping大学のC.J.Ostgren氏

 2型糖尿病患者の心血管疾患リスク予測には、胴囲よりも、患者が仰向けに寝た状態で測定する腹部縦径(sagittal abdominal diameter;SAD)の方が、優れた独立リスク因子である可能性が示された。これは、スウェーデンLinkoping大学のC.J.Ostgren氏らが行った、前向き観察試験の結果明らかになったもので、12月4日から8日までドバイで開催された世界糖尿病会議(WDC2011)で発表した。

 同研究グループは、2006〜2010年にかけて、スウェーデン25カ所の医療センターで、55〜66歳の2型糖尿病患者、255人(男性172人)について、前向き試験を行った。追跡期間は4年。試験開始時の被験者の平均年齢は61歳、BMI(平均)は29.6kg/m2、SAD(平均)は25.2cm、胴囲(平均)は102.4cm、脈間波伝播速度(PWV、平均)は10.2m/sだった。

 被験者について、胴囲、SAD、BMIなどを測定し、PWVとの関連を調べた。その結果、試験開始時点のBMI、SAD、胴囲と、追跡後のPWV値とに、有意な関連が認められた(それぞれP=0.049、P=0.007、P=0.027)。

 ところが、性別、収縮期血圧、HbA1c値で補正を行った後、追跡後のPWV値の独立因子として残ったのは、SADのみだった(P=0.036)。

 Ostgren氏は今後、より大規模な試験で、SADが胴囲よりもPWV値の予測因子として優れている点が再確認されれば、「2型糖尿病患者の心血管疾患リスク評価において、胴囲よりSADを臨床現場で使うようになるだろう」と指摘した。

 会場からの「SADがなぜ胴囲より有効なのか」との問いに対し、同氏はあくまでも推測であるとしながら、「SAD測定の方が、胴囲より、より正確な測定が可能なのに対し、胴囲は、測定者によってばらつきがあるという、とてもシンプルな理由なのではないか」と回答した。

(日経メディカル別冊編集)