ベルギーCHU Sart Tilman University of LiegeのR.P. Radermecker氏

 コントロール不良1型糖尿病患者を対象にリアルタイム持続血糖モニタリングを導入したところ、血糖自己測定(SMBG)の患者よりも、血糖値やQOLに有意な改善が得られることが分かった。EVADIAC sensor研究の1年間の成果で、ベルギーCHU Sart Tilman University of LiegeのR.P. Radermecker氏らが、12月4日から8日までドバイで開催された世界糖尿病会議(WDC2011)で発表した。

 EVADIAC sensor研究は、1年間にわたるオープンラベルの多施設共同無作為化比較試験で、フランスとベルギーの17の医療センターが参加して実施した。

 試験対象の条件は、8〜60歳、1型糖尿病患者、インスリン1日複数回注射(MDI)かあるいはインスリン注入器を使用、HbA1cが8%以上、1日2回以上のSMBGの実施などとした。対象は、1:1:1となるよう無作為に3群に振り分け、そのうち2群にリアルタイム持続血糖モニタリング(FreeStyle Navigator使用)を導入した。一方は患者主導でモニタリングを実施するグループで、もう一方は医師主導でモニタリングを実施するグループとした。残りはコントロール群として、SMBGを継続した。なお、医師主導グループでは、3カ月ごとにHbA1cや低血糖の発生頻度に応じて、CMGの実施頻度を月15日から20日、25日、30日と段階的にあげていく方法を採用した。例えば、最初の3カ月間は月15日でスタートし、次の3カ月間は、HbAcが7.5%以上かまたは中等度の低血糖が週4回かまたは重症低血糖が1回の場合は、月20日に実施頻度を引き上げた。HbAcが7.5%未満かつ中等度の低血糖が週4回未満かつ重症低血糖が0回の場合は、そのままの実施頻度を継続した。

 主要評価項目はHbA1cの変化とし、副次的評価項目は血糖値(標準偏差)、低血糖、さらにQOLの変化とした。

 試験の結果、対象には178人の患者が登録された。患者背景は36.4±13.6歳、糖尿病罹病期間は16.9±9.6年、HbA1cは9.0±0.9%、平均血糖値の標準偏差は70.1±24.7mg/dLだった。各群は、患者主導CGM群が62人、医師主導CGM群が55人、コントロール群が61人となった。CGMの導入は、10日間の試行期間をおいて実施した。

 1年間のHbA1cの変化を登録時と1年時点の差として見たところ、患者主導CGM群と医師主導CGM群はともに、コントロール群に比べて有意に低下していた(患者主導CGM群;-0.52%、P=0.0006。医師主導CGM群;-0.47%、P=0.0008)。患者主導CGM群と医師主導CGM群の合計では、コントロール群より-0.50%となり、有意な減少を示した(P<0.0001)。

 また、血糖値(標準偏差)は、医師主導CGM群が-15.7mg/dL(95%信頼区間:-28.8〜-4.61mg/dL)で、コントロール群の0.6mg/dL(95%信頼区間:-8.9〜-4.6mg/dL)より有意に低下していた(P=0.049)。

 低血糖の発生は、中等度、重症とも、3群間で有意差は認めなかった。一方、QOLは、DQoLあるいはSF-36による評価で、患者主導CGM群と医師主導CGM群の合計でコントロール群より有意に改善していた(P=0.004、P=0.04)。

 これらの結果から演者らは、「1年にわたるリアルタイム持続血糖モニタリングの実施により、コントロール不良の1型糖尿病患者の血糖値やQOLに改善が見られた」と結論し、リアルタイム持続血糖モニタリングの臨床上の意義を強調した。

(日経メディカル別冊編集)