スペインのVirgen De La Victoria病院のJ. Garcia-almeida氏

 豆類や果物、野菜や魚などの摂取を増やす地中海式食事法に基づいた食事療法は、糖尿病患者の血糖管理にも有効とされる。そこで心臓リハビリ患者59人を対象として、リハビリ期間中に地中海式食事法の導入およびトランス脂肪酸摂取の軽減などの介入を実施したところ、総エネルギー量の軽減などの効果がリハ終了時に認められ、リハ終了後12カ月においても地中海式食事法のアドヒアランスが維持されることなどが明らかになった。12月4日から8日までドバイで開催された世界糖尿病会議(WDC2011)で、スペインのVirgen De La Victoria病院のJ. Garcia-almeida氏らが発表した。

 59人の心臓リハ対象者は糖尿病の診断によって、糖尿病患者群(DM群、19人)、糖尿病前症群(PDM群、19人)、正常耐糖能群(NGT群、21人)の3群に分けられた。心臓リハビリ開始時、リハ終了時(8〜10週間)、リハ後12カ月の3回にわたり血糖値、インスリン値、HbA1c、体重、胴囲径、LDLコレステロール値、血圧などを測定し、72時間食事記録より総エネルギー摂取、総脂質摂取量、トランス脂肪酸(TFA)摂取量(食品リスト表による)、地中海式食事法のアドヒアランスなどを調べた。

 その結果、DM群とPDM群の血糖値やHOMA指数は、リハ開始時と比較してリハ終了時に有意に改善した(P<0.05)。

 総エネルギー摂取量はいずれの群でも有意に減少し、PDM群を除いて、リハ終了後12カ月においてもリハ開始時と比較して有意に減少した(P<0.05)。具体的には、DM群はリハ開始時に2688.0Kcalだったものがリハ終了時は1865.1Kcalに、リハ終了後12カ月は1682.6Kcalと減少した。一方、PDM群はリハ開始時に2566.0Kcalだったものが、リハ終了時は1554.1Kcal、リハ終了後12カ月は2093.7Kcalだった。また、NGT群はリハ開始時に2683.8Kcalで、リハ終了時は1816.4Kcal、リハ終了後12カ月は1994.2Kcalだった。

 総脂質摂取量もPDM群を除いて、開始時との比較でリハ終了時だけでなくリハ終了後12カ月も有意な低下が認められた(P<0.05)。 具体的には、DM群はリハ開始時に138.0gだったものがリハ終了時に77.5g、リハ終了後12カ月に68.9gだった。一方、PDM群はリハ開始時に124.4gだったものが、リハ終了時に63.8g、リハ終了後12カ月に98.1gだった。また、NGT群はリハ開始時に128.3でg、リハ終了時に90.4g、リハ終了後12カ月に81.6gだった。TFA摂取量も同様の減少傾向を示した(P<0.05)。

 地中海式食事法のアドヒアランススコア(0〜14点)は、リハ開始時と比較して、いずれの群でもリハ終了時だけでなくリハ終了後12週間も有意(P<0.05)に増加した(DM群;7.6点、10.1点、9.0点、PDM群;8.2点、11.1点、10.0点、 NGT群;8.0点、10.7点、9.9点)。

 Garcia-almeida氏は「食事介入による食事改善効果は顕著でも、介入をやめると元に戻りやすいが、地中海式食事法のアドヒアランスは試験終了後も長期間維持されることが示された。冠動脈疾患リスクを軽減する上で有効な食事法と言えるだろう」と指摘した。

(日経メディカル別冊編集)