クウェート大学のDiaa Shehab氏

 糖尿病患者におけるビタミンD低値は糖尿病性神経障害の合併と相関することが示された。12月4日から8日までドバイで開催された世界糖尿病会議(WDC2011)で、クウェート大学のDiaa Shehab氏が発表した。

 これまでの検討で、ビタミンD低値が1型および2型糖尿病発症のリスク因子であることが示されている。Shehab氏らは今回、2型糖尿病患者210人(男性67人、女性143人)を対象に、空腹時血糖値、HbA1c値、脂質値、血中ビタミンD値(25-dihydroxyvitamin Dとして測定)などを測定し、各合併症との関係を解析した。

 210人中、87人に糖尿病性神経障害が見られた。この87人は、糖尿病性神経障害が見られなかったグループと比較して、糖尿病罹病期間が長く、HbA1cも高かったが、年齢や性、糖尿病性網膜症の合併率、冠動脈性心疾患の合併率などについては神経障害が見られたグループと見られなかったグループの間で有意差は見られなかった。

 糖尿病性神経障害の有無別にビタミンDを測定した結果、神経障害がないグループのビタミンD濃度が58.32nmoL/Lであったのに対し、神経障害が見られたグループでは36.9nmoL/Lと有意に低値だった(P=0.001)。

 また、糖尿病性神経障害に対する多変量解析の結果、糖尿病罹病期間(10年以上)がオッズ比20.5(P<0.0001)、HbA1c高値がオッズ比7.2(P=0.016)、LDL-コレステロール(100mg/dL以上)がオッズ比2.1(P=0.036)となったが、ビタミンD低値(50nmoL/L)もオッズ比3.6(P=0.036)で有意な因子として見いだされた。

 これらの結果からShehab氏は、「ビタミンD低値は糖尿病性神経障害の独立した危険因子であることが示された。今後、ビタミンDを投与することで神経障害の発症を抑制できるかどうか評価したい」と語った。

(日経メディカル別冊編集)