カナダ・トロント大学のC.Kendall氏

 不飽和脂肪酸や食物繊維が豊富なナッツの血糖コントロールへの効果が注目されているが、ピスタチオ食と精製パン食について食後血糖および消化管ホルモンなどへの影響を調べたところ、ピスタチオ食は精製パン食よりも食後血糖ピーク値を低下させることなどが示された。12月4日から8日までドバイで開催された世界糖尿病会議(WDC2011)でカナダ・トロント大学のC.Kendall氏らが発表した。

 対象はメタボリックシンドロームの20人(女性12人、平均年齢:54±8歳、BMI:37.5±7.9)。試験では、炭水化物量をマッチさせた、(1)精製パンのみ50群(炭水化物50g)、(2)ピスタチオ+精製パン群(炭水化物50g)、(3)チーズ&バター+精製パン群(炭水化物50g)、(4)ピスタチオのみ群(炭水化物12g)、(5)精製パンのみ12群(炭水化物12g)の5つの食事のいずれかを無作為に摂取してもらった。ピスタチオ+精製パン群とピスタチオのみ群におけるピスタチオの重量はいずれも84gだった。その上で、血糖値や満腹度、消化管ホルモン(GIP、GLP-1)、血管内皮機能などについて、登録時に対する食後3時間の変化を評価した。

 食後血糖上昇のピーク値をみると、炭水化物量50gの食事で比較すると、精製パンのみ50群(約2.5mmol/L)、ピスタチオ+精製パン群 (約1.7mmol/L)、チーズ&バター+精製パン群(約1.3mmol/L)となり、ピスタチオ+精製パン群とチーズ&バター+精製パン群との差は認められなかった。

 ただし、ピスタチオのみ群(約0.2mmol/L)の食後血糖上昇のピーク値は、同炭水化物量の精製パンのみ12群(約1.0mmol/L)よりも低い傾向が認められた。

 食後の血管内皮機能の低下は、ピスタチオ+精製パン群の方が、チーズ&バター+精製パン群よりもやや少なかった。GIPおよびGLP-1のIAUCは、精製パンのみ50群と精製パンのみ12群で低く、ピスタチオのみ群、ピスタチオ+精製パン群、チーズ&バター+精製パン群で高い傾向が見られた。

 Kendall氏はこれらの結果について、「ピスタチオを含む食事は、食後血糖の低下、インスリンの節約効果、血管内皮機能の維持などのメカニズムにより、メタボリックシンドロームの患者に好影響を与える可能性が示唆された」と語った。

(日経メディカル別冊編集)