イタリアPavia大学のPameia Maffioli氏

 糖尿病の家族歴のある肥満者を対象に2種類の運動療法を行ったところ、インスリン抵抗性の改善には有酸素運動が、体重減には有酸素運動+無酸素運動が効果的であるとの研究結果が示された。12月4日からドバイで開催中の世界糖尿病会議(WDC2011)でイタリアPavia大学のPameia Maffioli氏らが発表した。

 対象は、2型糖尿病の家族歴のある16人の肥満者(男性8人、BMI:36±1.5、平均年齢は39±5歳)。

 有酸素運動30分を1日2回行うA群(8人)と、有酸素運動25分と無酸素運動5分の組み合わせを1日2回行うB群(8人)に分けて、4週間のトレーニングを実施した。いずれの運動も自転車エルゴメータを用いて行った。

 トレーニング実施前と4週間のトレーニング後の2回、自転車エルゴメータによる運動能力(最大酸素摂取量)、インスリン濃度および血糖(運動前)を測定した。さらに乳酸値は運動中、最大負荷にいたるまでは8分ごとと、運動終了30分後にも測定した。

 4週間のトレーニング後、最大酸素摂取量、最大負荷強度はいずれの群でも増加しなかった。

 A群では、登録時に比べ4週間トレーニング後の乳酸値が増加し、特に最大負荷時の乳酸値は登録時5.02mmol/Lに対し4週間後6.95mmol/Lと有意に増加した(P<0.05)。B群では乳酸値の増加は見られなかった。

 一方、インスリン抵抗性の指標であるHOMA-IRは、A群で有意に低下した(登録時110.16対4週間トレーニング後91.91、P<0.05)が、B群では変化は見られなかった。

 体脂肪については、B群はA群に対し有意に低下した(B群−6.35kg 対 A群−2.5kg、P<0.01)。

 Maffioli氏は、「血糖のコントロールには、乳酸値増加というマイナスの面も見られるが有酸素運動が有効で、一方、体脂肪を減らすには有酸素運動+無酸素運動が有効であることが示唆された」とまとめた。フロアからは「5分間の無酸素運動はかなりハードな運動で実際に遂行できたのかが疑問だが、それらの運動が体脂肪の減少に有効であるとの結果は興味深い」との発言が寄せられた。

(日経メディカル別冊編集)