スペインIdiPAZのT. Acosta氏

 プライマリケアにおいて、フィンランド発の糖尿病リスクスコアであるFINDRISCによるスクリーニングを行ったところ、22%が2型糖尿病のハイリスク群と判明した。また、ハイリスク群に対する生活様式介入により、耐糖能障害と診断された患者の血糖値に改善が見られるなどの成果も現れている。De-plan Studyの1年間の成果で、スペインIdiPAZのT. Acosta氏らが、12月4日からドバイで開催中の世界糖尿病会議(WDC2011)で発表した。

 De-plan Studyは、フィンランドやスペインなど欧州17カ国の25の医療センターが参加して実施している。プライマリケアにおける多施設スクリーニングプログラムと生活様式介入による2型糖尿病予防の実現が目的。FINDRISCは、8項目の質問表で構成された簡便でかつ実用的なもので、このスコアと10年後の糖尿病発症率が相関することが示されている。

 De-plan Studyでは、FINDRISCを用いて45〜74歳の被験者を対象にスクリーニングを行い、FINDRISCスコアが15以上を2型糖尿病発症リスクの高い被験者に分類し、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を用いて実際の糖代謝を評価している。

 一方、生活様式介入は食事と運動を柱とするもので、2型糖尿病発症リスクの高い被験者を対象に3カ月の強化プログラムを実施し、その効果を検討中だ。今回は、1年間のフォローアップが完了した被験者を対象とした解析結果が報告された。

 まず、これまでにFINDRISCでのスクリーニングを完了した被験者は14万2130人に上り、そのうち3万1268人(22%)がFINDRISC≧15の2型糖尿病発症リスクが高い群と分類された。リスクが高い被験者のうち、すでにOGTTを受けた人は61%(1万9153人)で、このうち2型糖尿病と判明したのは2045人(SD-T2D、10.7%)だった。耐糖能障害(空腹時血糖異常;IFG、耐糖能異常;IGT)の有病率は、37%(7089人)だった。

 SD-T2Dを除いた2型糖尿病リスクの高い被験者の52%(8896人)は現在、強化プログラムに参加している。すでに約2000人が最初の1年のフォローアップを完了した。

 介入試験については今回、一部の結果が報告された。1年間の介入を完了した1714人を対象とした解析によると、介入により試験開始から1年間で、BMIが31.56kg/m2から31.07kg/m2に有意(P<0.001)に減少したほか、収縮期血圧、胴囲、総コレステロール値などが有意に改善した(それぞれP=0.001、P<0.001、P<0.001)。また、IFG群とIGT群では、血糖異常の改善が見られているという。

 これらの結果から演者らは、「FINDRISC質問表は、プライマリケアにおいて2型糖尿病リスクの高い人を検出するのに有用な手段である」と結論した。また、継続中の生活様式介入(強化プログラム)により、2型糖尿病の初期段階の予防は実現可能とまとめた。

(日経メディカル別冊編集)