カナダDIAMEDICA社のMark Williams氏

 G蛋白共役受容体GPCR)作動活性を持ち、GLP-1アナログ作用が期待できるとして開発が進んでいる新規モノクローナル抗体DM-204は、インスリン分泌を促し、インスリン感受性を向上させ、降圧効果も期待できることが、動物実験で示された。12月4日からドバイで開催中の世界糖尿病会議(WDC2011)で、カナダDIAMEDICA社のMark Williams氏が発表した。

 糖尿病の有病率は世界的に上昇しているが、糖尿病は肥満や高血圧、脂質異常症などの併存疾患の増加にも関与していると考えられている。糖尿病治療の中には、こうした併存疾患にも効果があるものがあるが、現状では併存疾患を治療するには効果が不十分だ。

 GLP-1アナログは、GPCRであるGLP-1受容体に作用するが、DIAMEDICA社は、GLP-1受容体だけでなくそれと相同性のあるGPCRにも作用するモノクローナル抗体DM-204を見いだした。その機序の1つは、グルカゴン合成酵素キナーゼ3βのリン酸化があると考えている。そこで同社は、実験動物を対象としてDM-204の作用を検討し、その結果を発表した。

 Zucker糖尿病モデルラットを用いて、経口糖負荷試験を行った結果、DM-204はプラセボを投与した場合と比べて、用量依存的に血糖上昇を抑制した。また、血中インスリン分泌量はプラセボに比べて用量依存的に多く、インスリン分泌能を促進する作用があると考えられた。

 正常なラットを対象として、正常血糖高インスリンクランプ法(グルコースクランプ法)を用いて解析した結果、グルコース注入量はプラセボに対して有意に上昇し、AUCで160%、ピークのグルコース注入量は291%向上していることが示された。

 また、DM-204を投与した結果、平均動脈圧が平均で15mmHg低下することも分かった。

 現在同社では、慢性2型糖尿病モデルラットを用いた検討を行っており、抗体をヒト化して臨床試験へと進める計画も検討している。

(日経メディカル別冊編集)