インドDiabetes FoundationのSeema Gulati氏

 メタボリックシンドローム(MetS)の人に対する高食物繊維、低飽和脂肪酸といった一般的な食事療法において、総摂取カロリーの2割をピスタチオから摂取する食事療法を実施したところ、通常の食事療法に比べ、胴囲や皮下脂肪、脂質、さらに炎症マーカーについても、より大幅な改善が期待できることが分かった。インドDiabetes FoundationのSeema Gulati氏らが明らかにしたもので、12月4日からアラブ首長国連邦ドバイで開催中の世界糖尿病会議(WDC2011)で発表した。

 Gulati氏によると、MetSを対象に、ピスタチオ摂取の有効性を示した研究結果は今回が初めてという。

 Gulati氏らは、25〜65歳のMetSと診断されたインド人(60人)を無作為に2群に分け、両群で一般的な食事療法を3週間行った後に、介入試験を実施した。介入群(ピスタチオ群、30人)には、総摂取カロリーの20%をピスタチオから摂取する食事療法を24週間実施した。一方の対照群(30人)では、通常の食事療法を24週間継続した。両群の総摂取カロリーは同等にした。

 その結果、胴囲(平均値)は、試験開始時点で両群に有意差はなかったが、試験終了後には対照群が104.3cmに対し、ピスタチオ群は99.6cmと有意に減少していた(P=0.03)。皮下脂肪量(平均値)もまた、試験開始時点で両群に有意差はなかったが、試験終了後には対照群が194.3cm2に対し、ピスタチオ群は157.6cm2と有意に低値だった(P=0.03)。アディポネクチン値(平均値)についても、試験終了後は対照群の29.3ng/mLに対し、ピスタチオ群は34.9ng/mLと有意に高値だった(P=0.05)。

 一方、総コレステロールやLDLコレステロール(LDL-C)については、ピスタチオ群でのみ有意な改善が認められた。試験終了後の総コレステロール値(平均値)は、対照群が188.7mg/dLに対し、ピスタチオ群では169.0mg/dLと有意に低かった(P=0.02)。試験終了後のLDL-C値(平均値)もまた、対照群が110.1mg/dLに対し、ピスタチオ群では94.5mg/dLと有意に低かった(P=0.04)。

 高感度C反応性蛋白(hs-CRP)や抗腫瘍壊死因子アルファ抗体(TNF-α)といった炎症マーカーなどについては、両群ともに試験開始時点と終了後で有意な改善が見られ、試験終了後の値はピスタチオ群が対照群より有意に良好だった。

 Gulati氏は、今回、MetSに対するピスタチオ摂取の有効性を示した点について、「インドでは、肥満やMetSといった生活習慣病の罹患者が急増しており、大きな問題となってきている。MetSの状態は可逆的で、食事や運動療法によって改善が可能だ。こうした集団についてピスタチオの有効性を示した意味は大きい」と語った。また、ピスタチオに着目した理由として同氏は、食物繊維や多価不飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、ミネラルなどが多く含まれている点などを挙げた。

(日経メディカル別冊編集)