胃潰瘍の治療薬であるレバミピドには、プロスタサイクリンの産生減少を抑える働きがあるのではないかとする仮説が発表された。名古屋市立大学分子医学講座展開医科学分野准教授の原田直明氏が10月30日、第15回欧州消化器病学会のポスターセッションで報告した。

 原田氏らは、内皮細胞の中で合成されるプロスタサイクリンが、知覚神経によって活性化されることに注目。マウスで胃のプロスタサイクリン産生を減少させると、活性化した好中球によってストレス性胃粘膜損傷が起こる。そこで、レバミピドが内皮細胞の損傷を防ぐ機序について、マウスによる検討を行った。

 用いたのは、水に半分ほどつかった檻に入れて定期的にストレスをかけるマウスで、ストレスをかける30分前にレバミピドを投与し、投与しなかった場合と、潰瘍の程度と好中球に多く含まれるミエロパーオキシダーゼの量を比較した。その結果、どちらもレバミピドの投与によって有意に抑制されることが明らかになった(p<0.01)。

 原田氏は、「レバミピドが、プロスタサイクリンの産生減少を抑制する可能性がある。その一方、同時に測定した胃潰瘍の回復に重要な役割を果たすインスリン様成長因子-I(IGF-I)の量は増加していた。IGF-I産生を増やす働きを同時に持っていることが、レバミピドの胃潰瘍の回復をさらに高めているのではないか」と考察している。