2種類の特殊光観察の併用により、食道粘膜の微細な病変の検出が可能になったと、オランダのAcademic Medical CenterのWouter L.Curvers氏(写真)が10月29日、第15回欧州消化器病学会のプレナリーセッションで発表した。この検討は、英国Queens Medical centerや米国Mayo Clinicなど、4施設の共同研究で行われた。

 用いた特殊光観察は、狭帯域光観察(NBI)と蛍光観察(AFI)。このうち、NBIは深達度の浅い2種類の短い波長の光のみを抽出する特殊なフィルターを用いて、粘膜表層の毛細血管の走行パターンを茶色く強調表示する。一方、AFIは通常の内視鏡観察よりも波長の短い青色光を照射し、生体内の蛍光物質からの自家蛍光を観察して、正常組織と腫瘍組織の違いを強調表示する。ただし、AFIは組織の炎症反応も異常と拾い上げてしまう課題があった。

 研究の対象は、バレット食道患者84人(男性70人、女性14人、平均年齢67歳)。まず通常の内視鏡観察で病変と疑わしい場所を探し、AFIで詳しく場所を特定、その上でNBIで確認を行い、さらに病変部周辺からランダムに生検することによって確定診断するという手順で研究は行われた。

 その結果、通常の内視鏡観察では16人から病変が見つかり(感度53%)、AFIを用いたところ、さらに11人から病変が見つかった(感度90%)。なお、通常観察で病変が見つかった16人のうち4人は、AFIによりさらに5つの病変が見つかった。最終的に、拾い上げられた病変は102カ所だった。これをNBIで確認したところ、83カ所(81%)の疑陽性を、26カ所(26%)に減らすことができた。

 Wouter L.Curvers氏は、「生検のみで病変が見つかった患者が3人いることを考えると、こうした特殊光観察によって、病変部からランダムに生検する必要が無くなったとまでは今は言えない。だが、われわれはまだ幾つかの臨床試験を進めており、その結果を待ちたい」と期待を込めた。