進行胃癌に対する化学療法のレジメンについて、有効性と安全性を同時に評価する治療指数が開発され、GATE試験とv325A試験で用いられた5種のレジメンでは、TEF療法(ドセタキセル、オキサリプラチン、フルオロウラシル)が最も有益性が高いと考えられる結果が示された。7月3日から6日までスペイン・バルセロナで開催された第15回世界消化器癌学会(WCGC2013) で、フランスUniversite Paris-V European Hospital Georges PompidouのSimon Pernot氏が報告した。

 進行胃癌に対する化学療法の目的は、QOLの維持と生存期間の改善である。しかし、化学療法のレジメンに世界で共通する標準はなく、有用性が得られる期間は限られ、忍容性はプロトコールによって異なる。有効性と安全性のデータを同時に評価してレジメンを比較する必要がある。

 Pernot氏らは、有効性と安全性の2つの基準を考慮した治療指数の開発を試みた。

 対象は、2件の前向きランダム化試験において、5種の異なるレジメンでファーストライン治療を受けた進行胃癌患者。フェーズ2のGATE試験では、TE療法(ドセタキセル、オキサリプラチン)を79人、TEF療法を89人、TEX療法(ドセタキセル、オキサリプラチン、カぺシタビン)を86人が受けた。フェーズ3のv325A試験では、TCF療法(ドセタキセル、シスプラチン、フルオロウラシル)を221人、CF療法(シスプラチン、フルオロウラシル)を224人が受けた。

 この解析の主な目的は、複数のレジメンの間において、臨床に最も関連する毒性の1つ、発熱性好中球減少の発現率の無増悪期間(TTP)に対する割合(治療指数)を比較することだった。他のレジメンと比べてTTPが長く、かつ発熱性好中球減少の発現率が低い、治療指数が高いレジメンを、最も有益性が高いレジメンとした。

 GATE試験では、TEF療法が治療指数3.33で、TE療法の0.32、TEX療法の0.65を上回った。v325試験では、CF療法の治療指数は0.82、TCF療法が0.32となった。これらのレジメンの中ではTEF療法が最も治療指数が高かった。

 さらに、発熱性好中球減少の発現率の全生存期間(OS)に対する割合でみると、治療指数はTEF療法が最も高い6.34となり、TE療法が0.64、TEX療法が1.33、CF療法が1.89、TCF療法が0.62だった。

 臨床に最も関連するもう1つの毒性、下痢(グレード3/4)の発現率のTTPに対する割合、治療指数はTEF療法0.67でTE療法の0.23よりも高かったが、TEX療法は0.76でほぼ同様の値だった。CF療法は0.46、TCF療法は0.25だった。

 これらの結果から、進行胃癌に対するTEF療法は、TTPと発熱性好中球減少の発現率の点から、TE療法、TEX療法、DCF療法、CF療法と比べて有益性が高く、有望な併用療法であると考えられた。

 Pernot氏は、「この治療指数は今後の臨床試験で重要になる可能性があり、特にQOLが大きな課題となる緩和的化学療法では、重要性を増すと考えられる。関連するプロファイルを考慮して早急にプロトコールを選択する場合、役立つと考えられる」と話した。