転移を有する大腸癌(mCRC)で未治療の高齢の患者を対象として、カぺシタビンとベバシズマブの併用療法の有用性を評価したフェーズ3試験(AVEX試験)から、無増悪生存期間(PFS)は全対象と同様に年齢によるサブグループのいずれにおいても改善することが示された。7月3日から6日までスペイン・バルセロナで開催された第15回世界消化器癌学会(WCGC2013) で、英国Christie HospitalのMark P. Saunders氏が発表した。

 AVEX試験は、mCRCで高齢の患者のみを対象として、生物学的製剤の使用を前向きに評価した初のフェーズ3試験。

 対象は、未治療のmCRCで70歳以上の高齢者で、イリノテカンやオキサリプラチンとの併用療法が適切でないと考えられる患者だった。ファーストライン治療として、21日を1サイクルとし、カぺシタビン1000mg/m2を1-14日目まで投与する群(カぺシタビン群)と、カぺシタビンと併用でベバシズマブ7.5mg/kgを1日目に投与する群(併用群)に、患者をランダムに割り付けた。

 AVEX試験には280人が登録された。主要評価項目が達成されたことはすでに報告され、PFS中央値は、カぺシタビン群5.1カ月、併用群9.1カ月となった(ハザード比0.53、95%信頼区間:0.41-0.69、p<0.01)。

 また副次的評価項目の1つである全生存期間(OS)中央値は、カぺシタビン群16.8カ月、併用群20.7カ月となった(ハザード比0.79、95%信頼区間:0.57-1.09、p=0.182)。奏効率は、カぺシタビン群10.0%、併用群19.3%、病勢コントロール率(DCR)はそれぞれ57.9%と74.3%だった(それぞれp=0.042、p=0.005)。

 今回の解析では、年齢のサブグループにおける有効性と安全性の転帰が評価された。年齢は、70-74歳、75-79歳、80歳以上で分類した。

 カぺシタビン群と併用群は、70-74歳の患者ではそれぞれ46人と55人、75-79歳の患者では66人と57人、80歳以上の患者では28人ずつとなった。ECOG PSが1以下の患者がどの群でも80%以上を占めた。既往歴では動脈性高血圧が最も多く、どの群でも半数近くに上った。

 PFS中央値は、どの年齢のサブグループでも全対象と同様に、併用群で有意に改善した。70-74歳のカぺシタビン群では5.0カ月、併用群では7.6カ月(ハザード比0.52、95%信頼区間:0.32-0.83、p<0.001)、75-79歳のカぺシタビン群では5.1カ月、併用群では9.8カ月(ハザード比0.60、95%信頼区間:0.40-0.89、p=0.016)、80歳以上のカぺシタビン群では5.1カ月、併用群では10.5カ月(ハザード比0.36、95%信頼区間:0.19-0.71、p=0.003)となった。

 OS中央値は、どの年齢のサブグループでも、両群間で有意差を認めなかった。70-74歳のカぺシタビン群では22.2カ月、併用群では20.7カ月(ハザード比0.91、95%信頼区間:0.50-1.66、p=0.55)、75-79歳のカぺシタビン群では17.4カ月、併用群では19.8カ月(ハザード比0.79、95%信頼区間:0.48-1.30、p=0.37)、80歳以上のカぺシタビン群では12.6カ月、併用群では19.7カ月(ハザード比0.62、95%信頼区間:0.31-1.24、p=0.24)となった。

 奏効率は、70-74歳のカぺシタビン群10.9%、併用群25.5%、75-79歳のカぺシタビン群12.1%、併用群15.8%、80歳以上のカぺシタビン群3.6%、併用群14.3%だった。DCRはそれぞれ、67.4%、74.5%、56.1%、77.2%、46.4%、67.9%となった。

 安全性プロファイルは、過去に報告された転移を有する大腸癌患者に対するベバシズマブのデータと一致していた。有害事象の発現は、カぺシタビン群と比べて併用群でやや多かったが、より高齢である80歳以上のサブグループでも増加していなかった。グレード3以上の有害事象の発現率は、70-74歳のカぺシタビン群41%、併用群63%、75-79歳ではそれぞれ41%と55%、80歳以上ではそれぞれ58%と59%だった。

 Saunders氏は「今回の結果から、ベバシズマブとカぺシタビンの併用は、転移を有する大腸癌で高齢の患者に対し、有効で忍容性が良好なレジメンであることが示唆された」と話した。