転移を有するKRAS野生型の進行大腸癌(mCRC)のファーストラインとして、FOLFIRIとセツキシマブの併用はFOLFIRIとベバシズマブの併用に比べて、全生存期間(OS)を有意に延長できることを示したフェーズ3試験、KRK-0306(FIRE-3)の結果が、ASCO2013に続いて再び議論された。7月3日から6日までスペインバルセロナで開催された第15回World Congress on Gastrointestinal Cancer(WCGC2013)で、ドイツHospital GrosshademのDomink Modest氏が発表した。

 Domink氏は発表の中でセカンドラインの内容を公開、全生存期間(OS)の差はセカンドライン治療では説明できそうもないと強調した。一方、ディスカッサントのAlberto Sobrero氏は、OSのカプランマイヤー曲線で0カ月から24カ月目までと36カ月以上はハザード比が1で差がないのに、24カ月目と36か月目の間だけにハザード比の差があることなどを指摘、CALGB80405試験の結果を待つべきだと主張した。

 FIRE-3試験は、患者を2週間ごとのFOLFIRI(Tournigand regimen)に加えて、セツキシマブを投与する群(セツキシマブ群、1日目に400mg/m2を投与しその後は毎週250mg/m2を投与)とベバシズマブを投与する群(ベバシズマブ群、2週間おきに5mg/kgを投与)に割り付けた。ITT解析の対象は少なくとも1回の治療を完了した患者とした。患者のリクルートメントは当初KRASの状態に関係なく行われていたが、途中でKRAS野生型患者に限定することとなった。患者のリクルートメントは2012年10月に完了した。主要評価項目は奏効率(ORR)だった。

 ITT解析の対象だった735人のうち、KRAS野生型患者が592人だった。この患者をセツキシマブ群297人、ベバシズマブ群295人に割り付けた。年齢中央値は64歳、男性が66%、ECOG PS 0-1が患者の98%を占めていた。治療期間はセツキシマブ群が4.7カ月、ベバシズマブ群が5.3カ月だった。

 ITT解析の結果、ORRはセツキシマブ群62%、ベバシズマブ群57%、オッズ比1.249で同等だったが、測定可能な患者では、セツキシマブ群が有意に優れていた。無増悪生存期間(PFS)中央値はセツキシマブ群が10.3カ月、ベバシズマブ群が10.4カ月、ハザード比1.04、p=0.69で差がなかったが、OSはセツキシマブ群が28.8カ月、ベバシズマブ群が25.0カ月、ハザード比0.77(95%信頼区間:0.620-0.953)、p=0.0164で有意にセツキシマブ群が優れていた。

 今回セカンドラインのレジメンの患者分布が公表された。

 化学療法単独はフルオロピリミジンがFOLFIRI+セツキシマブ群6.4%、FOLFIRI+ベバシズマブが5.8%、オキサリプラチンベースがFOLFIRI+セツキシマブ群26.0%、FOLFIRI+ベバシズマブ群30.4%だった。

 ベバシズマブ+化学療法は、フルオロピリミジンがFOLFIRI+セツキシマブ群4.4%、FOLFIRI+ベバシズマブ群4.7%、オキサリプラチンベースがFOLFIRI+セツキシマブ群29.4%、FOLFIRI+ベバシズマブ群11.5%、イリノテカンベースがFOLFIRI+セツキシマブ群が12.4%、FOLFIRI+ベバシズマブ群が0.5%だった。

 抗EGFR抗体+化学療法は、イリノテカンベースがFOLFIRI+セツキシマブ群2.0%、FOLFIRI+ベバシズマブ群15.2%、オキサリプラチンベースがFOLFIRI+セツキシマブ群6.4%、FOLFIRI+ベバシズマブ群18.3%、抗EGFR抗体のみが、FOLFIRI+セツキシマブ群4.9%、FOLFIRI+ベバシズマブが5.8%だった。

 その他はFOLFIRI+セツキシマブ群8.3%、FOLFIRI+ベバシズマブ群7.9%だった。