転移を有する膵癌でサードライン以降の治療を受ける患者において、膵癌に感受性があり、かつ特異的なヒト化ムチン抗体の90Y-clivatuzumab Tetraxetan90Y-hPAM4)を用いた分割放射免疫療法は実現可能性があり、ゲムシタビンの追加により全生存期間(OS)を有意に延長したことが、多施設共同のフェーズ2試験から示された。7月3日から6日までスペイン・バルセロナで開催されている第15回世界消化器癌学会(WCGC2013) で、米Kimmel Cancer Center at Thomas Jefferson UniversityのEdith P. Mitchell氏が発表した。

 同試験の目的は、転移を有する膵癌患者において、90Y-hPAM4の安全性と忍容性を評価し、90Y-hPAM4を用いたレジメンに対するゲムシタビンの寄与の可能性を評価することなどだった。

 対象は、IV期の転移を有する膵腺癌で、2つ以上の前治療を受けた患者とし、次の2群に割り付けた。A群:4週を1サイクルとして、ゲムシタビン200mg/m2を週1回、90Y-hPAM4を2-4週目まで週1回、6.5mCi/m2投与する。B群:3週を1サイクルとして、90Y-hPAM4を週1回、6.5mCi2投与する。次のサイクルまでは4週間隔とし、受容不能な毒性の発現または悪化まで繰り返した。安全性、有効性、OSを評価した。

 24施設から58人(年齢中央値65歳、うち男性33人)が登録された。前治療数の中央値は3で、前治療数が2、3、4-6の患者はそれぞれ21人、20人、17人だった。レジメンでは、ゲムシタビンを含むレジメンは100%、フッ化ピリミジンを含むレジメンは97%の患者が受けていた。Karnofsky Performance Status(KPS)が100%、90%、80%、70%の患者は、それぞれ10人、12人、35人、1人だった。A群30人、B群28人となった。

 1サイクル以上の試験治療を受けた53人中、30人(52%)は1サイクルを施行したのみ、23人(40%)は2回から5回までの複数回のサイクルを完了した。死亡は42人(70%)で、現在11人(21%)が生存中である。

 安全性について、infusion reactionは認めなかった。6人で試験治療との関連が否定できない重篤な有害事象が発現し、内訳は、脳血管障害2人、グレード4の血小板減少、急性腎不全と消化管出血を伴うDIC、致死的な敗血症、発熱が各1人だった。血球減少は一過性で、管理可能な範囲のものだった。

 1サイクル以上の治療を受けた53人のOS中央値は、A群(27人)119日、B群(26人)80日で、ハザード比は0.53(95%信頼区間:0.28-0.99)となり、有意差がみられた(p=0.045)。3カ月の時点で生存していた患者は、A群14人(52%)、B群10人(38%)だった。

 前治療が2、3、4以上の患者で分けてOS中央値をみると、それぞれ90日、82日、73日と減少し、ファーストライン治療でこの試験治療を検討した過去の試験と比べて、難治性が増すほどOSが短縮することが示された。

またOS中央値は、KPSが80%の患者では79日、90-100%の患者では119日だった。

 CTで部分奏効(PR)を認めたのは1人、CA19-9が50%を超えて低下した患者は9人で、これらの結果もファーストライン治療での成績と比べて低い割合だった。

 Mitchell氏は、「KPSおよび前治療の数の予後予測因子としての可能性も、次の試験では重要になると考えられる」と話した。