転移を有する膵腺癌に対するnab-パクリタキセル(アルブミン結合パクリタキセル)の効果を調べたフェーズ3試験MPACTで、より長い全生存(OS)と無増悪生存(PFS)を得るための最も重要な因子として、Karnofsky performance statusが高いこと、65歳未満であること、肝転移がないこと、北米であることが同定された。転移個数はOSにとっては有意だがPFSにとっては有意な因子ではなかった。また、nab-パクリタキセルとゲムシタビン併用は独立したOS改善因子だった。

 MPACT試験の多変量Cox比例ハザードモデルによる解析で示されたもので、7月3日から6日までスペインバルセロナで開催されている第15回World Congress on Gastrointestinal Cancer(WCGC2013)で、スペインVall d'Hebron University HospitalのJosep Tabernero氏によって発表された。

 MPACT試験は、転移を有する膵腺癌を対象に、nab-パクリタキセル(アルブミン結合パクリタキセル)とゲムシタビンの併用投与と、ゲムシタビン単剤投与を比較した国際無作為化フェーズ3試験。患者を無作為にnab-パクリタキセルとゲムシタビン併用群(4週間おきにnab-パクリタキセル125mg/m2とゲムシタビン1000mg/m2を1日目、8日目、15日目に投与)とゲムシタビン単剤群(1サイクル目は7週間毎週ゲムシタビン1000mg/m2を投与し、2サイクル目以降は4週間おきにゲムシタビン1000mg/m2を1日目、8日目、15日目に投与)に割り付けて行われた。主要評価項目はOSだった。

 OS中央値は併用群が8.5カ月、単剤群が6.7カ月で、ハザード比0.72、p=0.000015。PFS中央値は、併用群が5.5カ月、単剤群が3.7カ月で、ハザード比は0.69、p=0.000024だった。

 OSに対する予測因子の解析では、東欧地域の北米地域に対するハザード比が1.22(p=0.0765)、65歳未満の65歳以上に対するハザード比が0.81(p=0.0190)、Karnofsky performance statusが70-80群の90-100群に対するハザード比が1.60(p<0.0001)、肝転移ある群がない群に対するハザード比が1.81(p<0.0001)、転移個数が1個、2個、3個の患者の3個超の患者に対するハザード比が1.08(p=0.0864)だった。これらの因子で調整しても、nab-パクリタキセルとゲムシタビン併用群のゲムシタビン単剤群に対するハザード比は0.72(95%信頼区間:0.605-0.849)、p=0.0001と有意なままだった。単変量解析で影響する因子としてベースラインのCA19-9値が同定されたが、最終的には独立した予後予測因子ではなかった。

 PFSに対する予測因子の解析では、オーストラリアの北米地域に対するハザード比が1.25(p=0.0928)、65歳未満の65歳以上に対するハザード比が0.83(p=0.0519)、Karnofsky performance statusが70-80群の90-100群に対するハザード比が1.56(p<0.0001)、肝転移ある群がない群に対するハザード比が1.79(p=0.0002)だった。これらの因子で調整しても、nab-パクリタキセルとゲムシタビン併用群のゲムシタビン単剤群に対するハザード比は0.66(95%信頼区間:0.544-0.796)、p<0.0001と有意なままだった。