FOLFOX術後補助療法を受けた結腸癌患者において、DNAミスマッチ修復能 (MMR) の有無は予後と有意な関連性はないが、遠位結腸癌ではMMR欠損が有意な予後不良因子であることが、フェーズ3試験(NCCTG-N0147 試験)の分子マーカー解析で明らかになった。米Mayo ClinicのFrank A. Sinicrope氏らが、6月27日から30日までバルセロナで開催された第14回世界消化器癌学会(WCGC2012)で発表した。

 NCCTG-N0147 試験はステージ3結腸癌患者2688人を対象に、術後補助療法としてmFOLFOX6単独もしくはmFOLFOX6とセツキシマブ併用を比較した試験。結果、KRAS野生型の患者でもKRAS変異型の患者でも、2群間で無病生存(DFS)と全生存(OS)に有意差がなく、mFOLFOX6へのセツキシマブの上乗せ効果は認められなかった。

 今回の解析では、DFSに対するMMRとBRAF V600E変異(以下、BRAF変異)の影響が検討された。IHC法でMMRタンパク質(MLH1、MSH2、MSH6)の発現を測定し、MMRが欠損した状態(dMMR)か存在する状態(pMMR)かを調べた。またホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織から抽出したDNAを使って、BRAF変異、KRAS変異を調べた。

 この結果、dMMRは12%、BRAF変異は14%、KRAS変異は28%に見られた。またdMMR患者とpMMR患者で比較すると、BRAF変異はそれぞれ49%、9%、KRAS変異が10%、30%であった。しかしリンパ節転移4個以上の患者はそれぞれ41%、42%とほぼ同じだった。

 全患者において、MMRの状態はDFSと有意な関連性は認められなかった(log-rank検定p=0.70)。BRAFでは野生型の方が有意にDFSは良好で(p=0.0036)、KRASでも野生型の方が有意にDFSは良かった(p=0.0003)。腫瘍部位では遠位結腸癌の方が近位結腸癌に比べて有意にDFSは良かった(p<0.0001)。

 次に、腫瘍部位別でみると、近位結腸癌ではdMMR患者の方が長期的にはDFSは良好な傾向があった(p=0.063)。しかし遠位結腸癌ではdMMRのDFSは有意に不良だった(p=0.012)。またpMMRでもdMMRでもリンパ節転移が4個以上の患者の方が予後は不良だった(いずれもp≦0.0001)。

 多変量解析の結果、DFSに対する有意な因子は、KRAS変異(ハザード比1.42)、BRAF変異(同1.34)、T3(同2.21)、T4(同4.10)、高グレード(同1.24)、N2(同2.14)であった。またdMMRかつ遠位結腸は有意な予後不良因子(同2.34)だが、dMMRかつ近位結腸(同0.71)、pMMRかつ遠位結腸(同0.78)は予後良好な因子だった。

 今回の結果から、Sinicrope氏は「FOLFOXで治療された患者において、MMRの予後への影響は原発巣の位置に依存している」とし、さらに「MMR欠損の患者には、遠位結腸とN2といった予後不良のサブグループがあり、これはヘテロジェナイティを示している」とした。