手術で完全切除が行われたKRAS野生型のIII期結腸癌患者に対する術後補助療法では、FOLFOX4にセツキシマブを追加しても、無病生存率(DFS)の改善は得られないことがフェーズ3のPETACC8試験の中間解析から示された。6月27日から30日までバルセロナで開催された第14回世界消化器癌学会(WCGC2012)で、フランスHopital Europeen Georges PompidouのJulien Taieb氏が発表した。

 転移を有する大腸癌では、抗EGFR抗体製剤と抗VEGF抗体製剤を化学療法と併用することで転帰の改善が得られているが、術後補助療法においては、複数の試験で3年のDFSの改善が得られなかったことが報告されている。

 Taieb氏らはPETACC8試験において、完全切除が行われたKRAS野生型のIII期結腸癌患者を対象として、FOLFOX4にセツキシマブを加えた併用療法の有効性を評価した。PSは0または1、リンパ節転移は1個以上確認されていることとした。

 FOLFOX4群では、FOLFOX4を2週毎に12サイクル施行した。一方、FOLFOX4+セツキシマブ群では、FOLFOX4に加え、セツキシマブを1サイクル目は400mg/m2、その後は250mg/m2を週1回投与した。
 
 なお、KRAS遺伝子変異による患者の選択が2008年早期に確立されたため、試験のプロトコールは2008年半ばに改訂された。その際、主要目的がKRAS野生型の患者に限定され、サンプルサイズを増加している。PETACC8試験の主要目的は、KRAS野生型でIII期の大腸癌を完全切除した患者のDFSを評価することだった。副次的目的は、全生存期間(OS)、コンプライアンス、安全性を評価することだった。

 中間解析の時点で、欧州の340の施設から2559人が登録され、92.3%の患者でKARSの測定が可能だった。KRAS野生型の患者は1602人だった。FOLFOX4群は811人(年齢中央値60.0歳、男性57.7%)、FOLFOX4+セツキシマブ群は791人(同60.0歳、59.2%)となった。

 両群の患者背景はほぼ同様で、FOLFOX4群とFOLFOX4+セツキシマブ群において、pT4はそれぞれ17.5%と20.4%、pN2は37.1%と38.6%に認め、腸閉塞または穿孔を伴う患者は18.0%と18.6%、血管またはリンパ節の侵襲を伴う患者は60.2%と58.5%だった。開腹手術と腹腔鏡下手術の割合、腫瘍の部位、組織病理学的な分類においても、両群で差はみられなかった。

 DFSの追跡期間中央値は、FOLFOX4群で3.3年、FOLFOX4+セツキシマブ群で3.33年だった。

 結果として、DFSの曲線は両群でほぼ同様となり、ハザード比は1.047(95%信頼区間:0.853-1.286)だった(p=0.6562)。3年のDFSも、FOLFOX4群78.0%(95%信頼区間:74.8-80.8)、FOLFOX4+セツキシマブ群75.1%(95%信頼区間:71.7-78.1%)で差はみられなかった。この結果から、最終的な解析でポジティブな結果が得られる可能性は1%未満と予測された。

 この試験においてグレード3以上の有害事象が1つ以上発現した患者は、FOLFOX4群66.2%、FOLFOX4+セツキシマブ群80.9%だった。グレード3以上の有害事象で両群に差がみられたのは、ざ瘡様発疹(0.5%対26.6%)、過敏反応(1.7%対3.9%)、下痢(9.1%対15.4%)、口内炎(1.2%対8.0%)だった。

 FOLFOX4を10サイクル以上施行した患者は、FOLFOX4群の86.8%に対し、FOLFOX4+セツキシマブ群では81.5%だった。FOLFOX4+セツキシマブ群でセツキシマブを80%以上投与できたのは77.7%だった。

 Taieb氏は「セツキシマブの忍容性の低下が用量強度の低下につながった可能性があり、年齢や性別、病期との相互作用も考えられる。IV期での所見と比較すると、微小転移性の病態に対するセツキシマブの作用には別の形があると考えられる」と説明した。