日本人の治癒切除不能な進行・再発の大腸癌患者に対するセカンドライン治療として、3週毎に行うカペシタビンとイリノテカン(XELIRI)とベバシズマブの併用療法は忍容性が良好で、有効であることがフェーズ1/2試験から示された。6月27日から30日までバルセロナで開催された第14回世界消化器癌学会(WCGC2012)で、がん・感染症センター都立駒込病院外科の山口達郎氏が発表した。

 転移を有する大腸癌患者に対するXELIRI±ベバシズマブの併用療法の有効性については、日本ではまだ報告されていない。

 セカンドライン治療でXELIRI+ベバシズマブの安全性と有効性を評価することは、新たな治療選択肢の提供につながり、BBP(Bevacizumab Beyond Progression)のデータを評価する上でも役立つと考えられることから、山口氏らは日本人患者を対象として評価するフェーズ1/2試験を実施した。

 対象は、転移を有する大腸癌で、PSは0または1、オキサリプラチンとベバシズマブを含むファーストライン治療を受けており、UGT1A1遺伝子多型*6、*28野生型またはいずれかのヘテロ接合体を認める患者とした。イリノテカンによる治療歴はないこととした。

 AIO0604試験のレジメンを用いて、カペシタビン800mg/m2/日を1日2回、1日目から15日目まで(1日目と15日目は1回ずつ)、イリノテカン200mg/m2とベバシズマブ7.5mg/kgを1日目にそれぞれ投与し、3週毎に繰り返した。主要評価項目は、フェーズ1の部分では第1サイクル目の用量制限毒性(DLT)の発現率、フェーズ2の部分では無増悪生存期間(PFS)、奏効率、安全性だった。

 2010年5月から2011年6月までに、フェーズ1に6人(年齢中央値64歳、男性4人)、フェーズ2に34人(同60歳、24人)が登録された。フェーズ1とフェーズ2の対象において、PSが0の患者はそれぞれ4人と22人、UGT1A1遺伝子多型*6、*28野生型の患者は3人と21人、UGT1A1*6ヘテロ接合体の患者は3人と7人、UGT1A1*28ヘテロ接合体の患者は0人と6人だった。肝転移はフェーズ1の対象中3人、フェーズ2の対象中20人に、肺転移はそれぞれ4人と22人に認められた。

 ファーストライン治療でFOLFOX4+ベバシズマブが施行されたのはフェーズ2の1人のみ、mFOLFOX6+ベバシズマブはフェーズ1の2人とフェーズ2の15人、XELOX+ベバシズマブはそれぞれ2人と10人だった。治療を終了した理由で最も多かったのは進行で、フェーズ1の6人、フェーズ2の33人が該当した。

 DLTは、フェーズ1では発現しなかった。フェーズ2では1人にグレード3の下痢と食欲不振が発現したが、プロトコールで定義されたDLTの発現率(20%)を超える可能性は7%だったため、減量はしなかった。その他のDLTはこの試験では発現しなかった。

 追跡期間の中央値は224日で、PFS中央値は253日(95%信頼区間:191-344)となった。完全奏効(CR)が得られた患者はいなかったが、部分奏効は6人で得られ、奏効率は17.6%となった。病勢コントロール率は88.2%だった。

 治療のサイクル数中央値は9サイクル(範囲:1-21)だった。全グレードの有害事象で多く発現したのは、好中球減少52.9%、白血球減少52.9%、貧血58.8%、血小板減少47.1%、下痢47.1%、食欲不振47.1%、嘔気47.1%、手足症候群44.1%などだった。グレード3以上の有害事象の発現率はいずれも低く、その中で多かったのは好中球減少8.8%、下痢5.9%、食欲不振5.9%、嘔気5.9%、高血圧5.9%などで、グレード3の手足症候群は発現しなかった。

 山口氏は「日本人患者のセカンドライン治療においても、良好な忍容性と有効性を示すことができた」と話した。