転移性大腸癌の治療として、西欧ではオキサリプラチンやイリノテカンを含むレジメンと抗体薬との併用療法が多いが、汎用されているレジメンは国によって異なることが西欧5カ国での調査解析で明らかになった。なお英国では抗体薬の使用はまれで、カペシタビンを用いたレジメンが一般的だった。仏Sanofi社のMathieu Rose氏らが、6月27日から30日までバルセロナで開催されている第14回世界消化器癌学会(WCGC2012)で発表した。

 解析は、IMS Oncology Analyzerデータベースで、ドイツ、スペイン、イタリア、フランス、英国での医師調査データを用いて行われた。対象患者は、2009年1月から2010年12月までに転移性大腸癌の治療を受けた21歳以上の患者。臨床試験に登録した患者は含まない。

 この結果、ステージ4の患者4919人において、ファーストライン治療は3937人、セカンドライン治療は982人。肝転移のある患者が全体の75%、肺転移が35%だった。

 ドイツ、英国、スペインでは、ファーストライン治療として、オキサリプラチンを含むレジメンが主流で、それぞれ47.8%、58.7%、47.5%を占めた。セカンドライン治療ではイリノテカンを含むレジメンが一般的で、それぞれ55.3%、50.8%、46.2%だった。

 一方、フランスやイタリアでは、ファーストライン治療において、イリノテカンを含むレジメンのほうが多く、それぞれ46.5%、43.7%だった。セカンドライン治療も同様の傾向があり、イリノテカンを含むレジメンがそれぞれ49.3%、53.1%であった。

 また抗体薬(ベバシズマブ、セツキシマブ)の使用は英国では少なかった。それ以外の国では抗体薬はFOLFOXとの併用よりもFOLFIRIとの併用が多く、またFOLFIRIと抗体薬の併用はFOLFIRI単独より多かった。

 レジメン別にみると、ファーストライン治療において、ドイツで最も多かったのはFOLFOX(26.6%)、英国ではXELOX(36.7%)、スペインではカペシタビン(22.1%)、フランスで最も多かったのが5-FU/イリノテカン+ベバシズマブ(B)(15.3%)、イタリアではFOLFIRI+B(17.1%)であった。

 セカンドライン治療では、ドイツで最も多かったのはFOLFIRI+B(16.6%)、英国ではXELOX(20.2%)、スペインではFOLFIRI+B(9.3%)、フランスでは5-FU/イリノテカン+B(12.5%)、イタリアではイリノテカン+セツキシマブ(14.5%)であった。

 これらの結果から、「ESMOガイドラインと一致して、オキサリプラチンもしくはイリノテカンを含むレジメンと抗体薬との併用療法が多く行われており、英国ではNICE(英国国立医療技術評価機構)の勧告に基づき、抗体薬の使用はまれで、カペシタビンを用いたレジメンが一般的であった」とした。