切除可能な原発性の局所進行胃癌患者に対し、catumaxomabを含む集学的治療は実行可能な治療選択肢であり、追跡期間24カ月の時点における無病生存率(DFS)と全生存率(OS)は有望な結果であることが、フェーズ2試験から示された。6月27日から30日までバルセロナで開催されている第14回世界消化器癌学会(WCGC2012)で、ドイツKlinik fur OnkologieのCarsten Bokemeyer氏が発表した。

 欧州では、胃癌患者を対象に含む大規模臨床試験の結果から、トリファンクショナル抗体で上皮細胞接着分子のEpCAMCD3に対するモノクローナル抗体であるcatumaxomabが悪性腹水の治療に承認されている。

 Bokemeyer氏らは、術前化学療法、胃切除術とcatumaxomabの腹腔内投与を組み合わせた新たな集学的治療の有効性を評価するため、単群、多施設共同のフェーズ2試験を実施した。今回は追跡期間24カ月の時点でのデータが発表された。
 
 70人が登録され、このうち54人の胃癌患者(T2/T3/T4、N+/−、M0)に、術前化学療法としてECF(エピルビシン、シスプラチン、5FU)またはECX(エピルビシン、シスプラチン、カペシタビン)を3サイクル施行した。その後R0胃切除術を施行し、catumaxomab 10μgを術中に腹腔内投与し、さらに計4回、術後7日目に10μg、10日目に20μg、13日目に50μg、16日目に150μgをそれぞれ3時間かけて投与した。
 
 この試験の主要評価項目は術後30日以内の合併症の発生率で、有効性の評価項目にはDFSとOSが含まれた。
 
 手術時のpTNM分類による病期は、I期とII期が各27.8%、III期が22.3%、IV期が14.8%だった。この試験の主要評価項目は達成されたことがWCGC2011で発表されており、術後合併症の発生率は33%で、施行可能なレジメンと設定された値(42%以下)で良好な結果だった。
 
 追跡期間24カ月の時点で54人中14人が死亡し、1人は追跡不能、39人が生存中だった。再発したのは11人で、このうち7人にリンパ節転移、6人に血行性転移、4人に局所再発が認められた。
 
 DFSとOSは、スクリーニングと手術の時点からそれぞれ算出された。スクリーニングの時点からのDFSは56.35%(95%信頼区間:41.27-68.96%)、OSは75.00%(95%信頼区間:60.20-84.95%)だった。手術から24カ月の時点のDFSは50.07%(95%信頼区間:35.32-63.14%)、OSは70.83%(95%信頼区間:55.78-81.57%)だった。
 
 catumaxomabを1回以上投与した患者を対象とした安全性解析では、術後の投与期間において、患者の90.7%にcatumaxomabに関連する有害事象が発現した。グレード3以上の有害事象は患者の70.4%に発現し、このうち51.9%でcatumaxomabとの因果関係が認められた。多くは過去の臨床試験においてcatumaxomabの安全性プロファイルとして確認されたものと一致していた。
 
 有害事象全体で多く認められたグレード3以上の事象は、胃腸障害(24.1%)、呼吸器・胸部・縦隔の障害(22.2%)などだった。有害事象の多くは治療終了時に可逆性だった。ただし、Bokemeyer氏は「術後の肺合併症の発生にcatumaxomabが影響する可能性については、さらに調査する必要がある」としている。
 
 この試験では観察期間を4年間としてさらに追跡が継続される予定である。