進行膵癌に対し、ヒトIGF-1R(インスリン様成長因子-1型受容体)に対するモノクローナル抗体MK-0646dalotozumab)とゲムシタビンの併用は、ゲムシタビンとエルロチニブの併用、MK-0646を加えた3剤併用よりも予後良好となる傾向のあることが、フェーズ2試験の最新解析で明らかになった。米国MD Anderson Cancer CenterのRachna T. Shroff氏らが、6月27日から30日までバルセロナで開催されている第14回世界消化器癌学会(WCGC2012)で発表した。

 IGF-1RにIGF-1やIGF-2が結合すると、腫瘍細胞の生存や増殖に関与するPI3K/Aktシグナル伝達経路やMEK/Erkシグナル伝達経路が活性化される。MK-0646は、IGF-1Rと結合し、シグナル伝達を阻害する。またMK-0646はADCC(抗体依存性細胞傷害)活性を誘導すると考えられている。

 フェーズ2試験は、ステージ4進行膵癌で、ECOG PS 0-1、補助療法後6カ月を超えた患者を対象に行われた。患者の年齢中央値は61歳、PS 1が90%、未治療例が91%を占めた。患者を無作為に3群に分け、ゲムシタビン(G)+MK-0646(M)群、G+M+エルロチニブ(E)群、G+E群とした。

 治療は4週おきに、ゲムシタビンは週1回1000mg/m2を3回行った。エルロチニブは100mgを毎日投与。MK-0646は週1回の投与を4回行った。なおフェーズ1試験で、MK-0646の最大耐用量はゲムシタビンとの併用では10mg/kg、ゲムシタビンとエルロチニブとの併用では5mg/kgと決定された。
 
 72人が登録し、59人について効果と安全性を評価した。抗腫瘍効果は、部分奏効が19%、病勢安定が37%、病勢進行が44%だった。

 主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の中央値は、G+M群が5.5カ月、G+M+E群が3.0カ月、G+E群が2.0カ月(log-rank検定p=0.17)。全生存期間(OS)中央値は、G+M群が11.3カ月、G+M+E群が8.9カ月、G+E群が5.3カ月(log-rank検定p=0.44)だった。

 主なグレード3/4の血液毒性は、好中球減少が49%、血小板減少が25%、貧血が6%、グレード3/4の非血液毒性は、疲労、ALT/AST上昇が各12%、高血糖が11%だった。

 またバイオマーカー検索から、組織のIGF-1レベルが高い患者では、G+M群のPFSがより優れている傾向があり、抗IGF-1R抗体による治療ではIGF-1レベルがマーカーになる可能性も示唆された。