大腸癌肝転移の肝切除後の5年生存率は38%であることが、1999年から2010年に発表された研究をレビューして明らかになった。さらに10年生存率は26%であり、術後30日間の死亡率は1.5%と低くなっていることもわかった。6月22日から25日までスペイン・バルセロナで開催された第13回世界消化器癌学会(WCGC2011)で、英国Amgen社Center for Observational ResearchのAliki Taylor氏らが発表した。

 大腸癌肝転移の生存期間については、1981年から2000年に発表された30報をシステマティックレビューし、肝切除後の5年生存率は30%、術後30日の死亡率は中央値で2.8%であることが報告されている(Simmonds PC et al., Br J Cancer 2006;94 982-99)。しかし術後補助療法による影響や予後因子による層別化は検討されていない。

 そこで今回は1999年から2010年に発表され、英語で書かれた研究を用いて分析した。転移性大腸癌で肝転移に対し肝切除を行い、24カ月以上のフォローアップがあった患者を対象とし、全生存および無増悪生存の結果がある研究報告を選び出した。その結果、条件を満たした116報、計20745人を分析対象とした。なお9報はSimmondsらの報告にも含まれていた。

 5年生存率は16-74%で、平均は40%、中央値は38%であり、Simmondsらの結果より生存率は高くなっていた。20報で10年生存率を報告しており、平均は29%、中央値は26%だった。60報における生存期間の平均は3.7年、中央値は3.6年。また術後30日の死亡率は1.5%と、これもSimmondsらの結果より改善していた。

 54報で予後因子が検討されていた。グレード、肝臓の腫瘍径、肝外病変、肝転移数、原発巣のリンパ節転移、CEA値、断端陽性の7つの因子について、死亡に対する相対リスク(meta relative risk ;mRR)が算出された。

 その結果、グレード(未分化型の原発巣)のmRRは1.88(95%信頼区間 1.32-2.67)、肝臓の腫瘍径(>3cm)が1.52(同 1.28-1.80)、肝外病変(あり)が1.88(同 1.50-2.37)、肝転移数(>1)が1.57(同 1.39-1.78)、原発巣のリンパ節転移(あり)は1.59(同 1.46-1.73)、CEA値(>200ng/mL)は1.92(同 1.14-3.22)、断端陽性(あり)が2.02(同1.65-2.48)だった。

 これらの結果から、2000年までの報告に比べて、2010年までの報告では5年生存率は8%高く、術後死亡率も低下していたことから、「大腸癌肝転移に対する肝切除は比較的安全な手技である」とした。また「治療を選択する上で、予後因子は臨床で有用だろう」と述べた。