afliberceptVEGF Trap)が他剤治療歴のある転移性大腸癌患者の生存期間を有意に延長できることを示したフェーズ3試験「VELOUR」の詳細が明らかとなった。FOLFIRIにafliberceptを加えることで、全生存期間(OS)中央値が、FOLFIRIのみ群に加えて1.44カ月延長し13.50カ月となった。成果は、6月22日から25日までスペイン・バルセロナで開催された第13回世界消化器癌学会(WCGC2011)で、University Hospital GasthuisbergのE.Van Cutsem氏によって発表された。

 afliberceptは、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)を標的とする融合蛋白質で、VEGF-AやVEGF-B、胎盤成長因子(PIGF)に、通常の受容体よりも強い親和力で結合する。

 VELOUR試験では、多国間ランダム化二重盲検試験でオキサリプラチンによる治療歴のある転移を有する大腸癌患者を、FOLFIRI療法(イリノテカン、5-フルオロウラシル、ロイコボリンの3剤併用療法)にafliberceptを併用する群(612人)またはプラセボを併用する群(614人)のいずれかに無作為に割り付けた。aflibercept群の27.6%、プラセボ群の28.8%にベバシズマブの投与歴があった。主要評価項目はOS、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、奏効率、安全性などだった。

 aflibercept群には2週間おきに、FOLFIRI療法に加えて1日目にaflibercept 4mgが投与された。プラセボ群には2週間おきに、FOLFIRI療法に加えて1日目にプラセボが投与された。患者の年齢中央値はaflibercept群が61.0歳(19-86)、プラセボ群が61.0歳(21-82)で、65歳超の割合は、aflibercept群が33.5%、プラセボ群が38.8%だった。

 抗腫瘍効果が評価可能だった患者はaflibercept群が530人、プラセボ群が531人だった。安全性の評価が可能だったのはaflibercept群が611人、プラセボ群が605人だった。

 試験の結果、観察期間中央値22.28カ月で、aflibercept群のOS中央値は13.50カ月、プラセボ群の中央値が12.06カ月と、ハザード比0.817(95.34%信頼区間 0.713-0.937)、p=0.0032で統計学に有意に延長した。カプランマイヤー曲線は一度も交差することなく、時間の経過とともに2群の線の幅が拡大していた。

 aflibercept群、プラセボ群を合わせた全患者をベバシズマブ投与を受けたことのない患者と受けたことのある患者に分けると、受けたことのない患者のOSはハザード比0.788(95.34%信頼区間 0.669-0.937)で有意にaflibercept群の方が良かったが、受けたことのある患者ではハザード比0.862(95.34%信頼区間 0.673-1.104)でaflibercept群の方が良い傾向にあった。

 PFS中央値は、aflibercept群は6.90カ月、プラセボ群が4.676カ月、ハザード比0.758(99.99%信頼区間 0.578-0.995)、p=0.0007で統計学に有意に延長した。カプランマイヤー曲線は最初はaflibercept群が最初はかなり上に行っていたが、12カ月目頃からほぼ同一となった。

 奏効率はaflibercept群が19.8%(完全奏効は0%)、プラセボ群が11.1%(完全奏効は0.4%)で、p=0.0001で有意にaflibercept群が良かった。

 プラセボ群よりaflibercept群が多く発現したグレード3または4の有害事象は、下痢(プラセボ群7.8%、aflibercept群19.3%)、好中球減少症(プラセボ群29.5%、aflibercept群36.7%)、好中球減少による合併症(プラセボ群2.8%、aflibercept群5.7%)、口内炎・潰瘍(プラセボ群5.0%、aflibercept群13.7%)、感染症(プラセボ群6.9%、aflibercept群12.3%)、高血圧(プラセボ群1.5%、aflibercept群19.3%)、蛋白尿(プラセボ群1.2%、aflibercept群7.9%)などだった。

 VELOUR試験のほか、afliberceptでは、ホルモン抵抗性で転移を有する前立腺癌の1次治療のフェーズ3試験「VENICE」と、転移を有する大腸癌の1次治療としてaflibercept とFOLFOX(5-FU、 ロイコボリン、オキサリプラチン)を併用するフェーズ2試験「AFFIRM」が進行している。VENICE試験は、中間解析が2011年中頃に独立モニタリング委員会によって実施される予定で、最終結果は2012年になる見込み。AFFIRM試験では、最終結果が2011年下半期に報告される予定だ。