進行・再発大腸癌に対するカペシタビン+オキサリプラチン(XELOX)とベバシズマブの併用療法において、チームアプローチを行うことで有害反応が軽減し、相対的用量強度(relative dose intensity)が維持できることが示された。6月22日から25日までスペイン・バルセロナで開催された第13回世界消化器癌学会(WCGC2011)で、藤田保健衛生大学病院消化器外科の松岡宏氏が発表した。

 進行・再発大腸癌に対し、XELOXとベバシズマブの併用療法が日本では2009年9月に承認され、同院でも積極的にこの治療を行っている。この併用療法は、FOLFOXと比べて受診間隔が長く、中心静脈ポートや輸液注入ポンプが不要という利点がある。

 その反面、受診間隔が最長3週間となることで、有害反応の悪化や発見の遅れ、コンプライアンスの評価が困難になるといった点が懸念される。

 松岡氏らはXELOXの使用経験から、合併症を減少し、在宅で患者自身が手足症候群(HFS)などの有害事象のマネジメントを確立することが重要と考え、看護師、薬剤師、医師によるチームアプローチを組み込んだフェーズ2試験を実施した。

 2009年11月から2011年4月までに、進行・再発大腸癌で、1次治療としてXEOLX+ベバシズマブの投与を受けている患者33人が登録された。今回は、この併用療法を1回以上受けた26人(年齢中央値65.5歳、男性17人)について報告した。

 主要評価項目は奏効率、副次的評価項目は相対的用量強度、重度の有害事象の発現率などだった。

 チームでの役割として、看護師はHFSのセルフケアの方法を指導し、週1回患者宅に電話をかけて、在宅でのケアの状況とHFSや末梢神経障害などを含む有害事象の発現について確認した。外来受診時には有害反応の自覚症状について、質問票を用いて確認した。

 薬剤師はこの併用療法について説明し、補助薬の使い分けなどを指導した。医師は患者に治療計画を説明し、有害事象を確認し、次回のコースの用量を決定した。さらにチーム全体で週1回ミーティングを開き、有害事象について検討した。

 化学療法の有効性は3コースごとにCTで確認した。その結果、完全奏効(CR)は7.7%、部分奏効(PR)は57.7%で、奏効率は65.4%となった。病勢コントロール率は84.6%だった。

 6コース施行後のカペシタビン、オキサリプラチン、ベバシズマブの相対的用量強度は、それぞれ92%、94%、98%となった。

 HFSは全グレードでは17人(68%)に発現したが、グレード3は1人(4%)のみだった。末梢神経障害は治療コースを重ねるごとに増強がみられ、全グレードでは18人(72%)に発現し、グレード3は2人(8%)だった。グレード3の有害事象で最も多かったのは下痢で、5人(20%)に発現した。

 電話でのサポートにより、患者が在宅治療での不安を訴えることができ、必要時は早い段階で診察につなげることが可能となった。質問票の回答からも、電話での対応が不安の軽減につながり、全患者がこのサポートの継続を希望していることが明らかになった。

 松岡氏は「このアプローチで重度の有害反応を減らしていけたら、と考えている」と話した。